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初工作はなんと3歳から 平等院鳳凰堂から戦車まで作る“ダンボール建築の人”が追い求めるロマンとは(2/2 ページ)

「生涯続けられる趣味として極めていきたい」。ぜひ道を極めてほしいところです。

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―― お名前の由来を教えてください。

うぷあざ棟梁:「うぷあざ(=長男)」という宮古島の方言から取っています。「うpあざっす(=投稿ありがとう)」の意味ともかけており、単語としてはなじみやすいと思い使っています。

―― 本業はどのようなお仕事をされていますか。

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うぷあざ棟梁:普通の会社員です。創作活動は完全な趣味で、特に専門家というわけではありません。

―― ダンボール工作に興味を持ったきっかけは何かありましたか。

うぷあざ棟梁:幼少期からダンボール工作を始めて今に至るので、特にきっかけというものはありません。ダンボール工作をそのまま続けた結果だと思います。父の工作やワクワクさんに影響を受けていて、いつも試行錯誤して作品を作っていました。

小学3年生のときに制作したというランボルギーニ。幼少期から作っていただけあり小学3年生とは思えぬ完成度

―― ダンボール工作の魅力はどんなところにあると思いますか。

うぷあざ棟梁:基本的に一度限りの梱包材という用途で使われるものが、作り手によって化けるところです。そもそもアート作品というもとの用途から離れた使い方をしているので、ダンボールの魅力は無限大だと思っています。

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―― 今までの作品のなかで特にお気に入りはどれですか。

うぷあざ棟梁:平等院鳳凰堂がお気に入りで、今のところ私の代表作です。ダンボールという素材でどれだけ荘厳な雰囲気を表現できるか挑戦してみたかったので、うまく再現できたことは5年経った今でもうれしく思っています。

平等院鳳凰堂

―― 一番苦労した作品はどれですか。

うぷあざ棟梁:建築系の作品はどれも苦労しました。その建物に愛着がある地元の方が見ても違和感のない仕上がりにしないと、失礼だと思うからです。縮尺は実物より圧倒的に小さくしないといけないので、実物を見上げた感覚を第一に造りを調整しています。

やはり建築系は大変なもよう

―― 次に何を作るかはどのように決めていますか。

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うぷあざ棟梁:リクエストやその時の気分で決めます。

 流行に乗った作品もあれば、「この技法を取り入れたい」という技術的な観点から決めることもあります。戦車(可動キャタピラ)、ハンドスピナー(紙製ベアリング)などがこの技術的な観点から製作を決めた作品にあたります。

―― 1作品の平均制作時間、動画編集時間はどれぐらい掛かっていますか。

うぷあざ棟梁:製作時間は物によるので平均は出せませんが、3日程度で作れるものもあれば、松本城のように半年掛かったものもあります。

 動画編集時間は3日~1週間程度かけて、映り込みや矛盾がないか、音量が小さすぎたり大きすぎたりしていないかなどをよく確認してから投稿しています。製作過程の動画や写真にミスがあれば、作品が完成した後でも再度撮り直しをすることがあります。その場合はさらに編集時間は伸びます。作品と同等くらいに動画編集には力を入れていますので、動画の方も見ていただけますと幸いです。

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―― Nintendo Laboが登場したときどう思いましたか。

うぷあざ棟梁:これだ! と思いました。

 私自身、ダンボールと電子機器を組み合わせた作品を製作していました。投稿したのは2014年が初で、その楽しさは十分に知っていましたので、裾野が広がり多くの人がその楽しさを実感できることは良いことだと思います。また、私としてもNintendo SwitchのIRカメラやHD振動機能など、高性能な無線コントローラーを気軽に使えるようになり、オリジナルのダンボール作品にどう活用するか今後が楽しみです。

今後はNintendo Laboを使った作品にも期待です(画像はジョイコンをパンジャンドラムに差し込んでいるところ)

―― 作った先品は全て家に保存してありますか。

うぷあざ棟梁:動画にあるものはほぼ保存しており、展示や取材時に活用しています。意外とお見せする機会も多く、最近では移動時の取り回しも考えた作品作りを行っています。

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―― もっとダンボール工作をする人が増えてほしいと思いますか。

うぷあざ棟梁:増えてほしいと思いますし、ネット上に作品を公開してほしいとも思います。

 ダンボール工作は小さい子ども向けという印象が強いので、本気の作品が世に知られれば、ダンボールアートというジャンルとして注目度も高くなるかと思います。注目度が上がればより多くの人に見て頂けますので、作り手としてもメリットがあります。

―― ネットでの反響についてどう思いますか。

うぷあざ棟梁:とてもありがたいことです。日々さまざまなコンテンツが生まれるインターネット文化の中で安定して評価を頂くことは、この上ない喜びです。作品作りに励む作り手の端くれとしては、誰かに見て喜んでもらえることが何よりも嬉しく、創作意欲も沸いてきます。作品を動画にして投稿することは生きがいになりつつあります。生涯続けられる趣味として極めていきたいですね。


 幼少期から気付いたら始めていたという、まさに根っからのダンボール工作職人だったようです。あの完成度の高さも納得。

 うぷあざ棟梁さんは、6月23日~24日まで東京都中央区のフラッグ・ギンザ・ギャラリーで開催される、「~紙一重~ 現代紙工芸選抜展」で作品を展示予定とのこと。実際にその目で作品を見てみたい人は足を運んでみてください。

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