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「私の偏差値は○○万です」 地球上で自分1人だけが問題を解いたら、偏差値はいくつになるのか

偏差値○○万も夢じゃない……?

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 テレビのクイズ番組では、頭がいい人の肩書でよく「偏差値100!」などと煽っています。なかなか出ない数字だからこそ、強さの証として通用する数字ですね。

 しかし、誰しも強みや得意分野というのを持っているもの。何かで新発見をしたり世界一になったりしたら、そんな高偏差値も取れてしまうのかもしれません。

自分だけが解ける問題

 いま、地球上の75億人に対して、1問100点で全1問の100点満点のテストを出したとしましょう。

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 ひょんなことから「自分だけが分かる問題」が出題されたとしたら、自分だけが100点で、ほか75億人は0点という状況が起こり得ます。どんな問題かは別として……。

 この、自分が100点、ほか75億人が0点であるとき、偏差値はいくつになるのでしょうか。

偏差値の計算方法

 偏差値はどう求まっているのか、丁寧に説明していきましょう。「数学がとてつもなく苦手」という人は、下のほうの計算結果まで飛ばしてください。

 そもそも偏差値は、下の画像の計算式から求められます。

 Xに「自分の得点」を、μ(ミュー)に「平均点」を入れる、という説明まではみなさんも分かると思います。では、その分母にある「σ(シグマ)=標準偏差」はどうでしょうか。

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 標準偏差とは、言うなれば「みんながどれくらい平均点から離れているかの平均」です。平均点に近い得点の人が多ければ小さく、平均点から遠く離れた得点の人が多ければ大きくなります。

 正確には「分散の平方根」が標準偏差となるので、単に距離を平均するだけではありませんが、イメージしやすい説明はこんなところでしょうか。

 つまり、この例でいうと偏差値とは、「平均点をとったときには50に、全員の得点の平均点からの距離の平均と同じだけ平均点より高い点のときに60(低い点のときに40)になる」ように換算した数値です。

 ※偏差値とは、ある数値がその対象の中でどれくらいの位置にいるかを表した指標であり、身長などにも用いることができます。

 さて、あらためて計算式を見てみると、自分の点数が平均点と同じであったり、標準偏差がどんどん大きくなっていくと、偏差値は50に近付きます。

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 逆をいえば、「自分の点数が平均から遠く離れている(Xがμよりとても大きい/小さい)」かつ「標準偏差が小さい(σが小さい)」ほど、偏差値が大きく/小さくなることが分かります。

 これに従うと、「自分が100点で、ほか75億人が0点」のときの自分の偏差値は、とんでもなく高くなることが期待できそうですね。

 上の説明にあるように、偏差値というのは周りの得点に大きく左右される指標です。自分が平均を大きく上回ったとしても、ほかに平均を大きく上回った人がたくさんいれば、偏差値はそれほど上がりません。逆にいえば、平均を大きく上回れる人が少ないテストで平均を大きく上回る点を取れば、簡単に偏差値は上がります。

 テレビで紹介される「偏差値○○!」というのは、それがどんな受験者層のテストで出た数値かによっては、実はそれほどすごくはない可能性もあるのです。

で、結果は?

 計算式の文字に当てはめる数を求めていくと、平均点μは「100 ÷ 7500000001=およそ0.00000001333……」、標準偏差σはおよそ0.00115470053……。

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 ここから計算すると、75億人が0点で自分だけ100点をとったときの偏差値はなんと、86万6075。偏差値100なんて目じゃない!

 ちなみにこのテストでは、0.0000000133 + 5 × 0.00115470053…… = およそ0.005773515点をとると、偏差値100をたたき出せてしまいます。100点満点のテストで1点未満でも偏差値100とは、これいかに……。

君も今日から偏差値86万!

 これは簡単に示せることですが、「自分以外の75億人全員が0点」という条件が変わらないと仮定すると、自分の点数がどんな正の数であっても、偏差値は86万6075で変わりません。

 つまり、「自分だけが問題を解いて、世界中のほかの人は誰も解けない」とか、「自分だけが1回成功して、ほかの人は1回もできない」ような偉業を成し遂げたら、それは偏差値86万6075といえないこともありません。

 もちろん、なんでも偏差値を計算してくればよいという話ではないでしょう。しかし、何か「自分にはできて、ほかの人には一切できないこと」を探してきて「偏差値86万」を自称してみるのも、話のタネにはいいかもしれません。

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