ニュース

aiboと犬は共生できるか? ソニーが実験 2週間の共同生活で犬がaiboを「生き物」と認識

犬はaiboを自分より下の存在として順位付けし、一緒に遊んだり面倒を見たり、思いやる行動を見せたそうです。

advertisement

 ソニーが犬型ロボット「aibo」と本物の犬が共生できるか、可能性を探る実験を行いました。実験は哺乳類動物学者の今泉忠明氏が監修。犬がaiboに対し仲間意識や気遣うそぶりを見せたことから、「犬はaiboを生き物として認識した」と分析しています。

犬がaiboとっても仲良しに
『ざんねんないきもの事典』の監修でも知られる今泉忠明氏

 実験は犬と飼い主10組の協力の下、2段階に分けて実施。第1段階はファーストコンタクトとして、犬と飼い主がいる部屋にaiboを投入しました。犬はそれぞれ犬種が異なり、年齢も6カ月から12歳までとさまざま。aiboが入室したあと、近づいてにおいをかぐ犬は13匹中9匹で、うち6匹がaiboのお尻のにおいを確認するなど、強い興味を示したといいます。

くんくん……と興味津々
なかには警戒して逃げようとする犬も

 第2段階では、ファーストコンタクトに参加した10組のうち3組を選出し、共同生活の実験を実施。年齢6カ月のトイ・プードル、3歳のジャック・ラッセル・テリア、5歳の柴犬と3歳のサモエドとミニチュア・ダックスフンド(多頭飼い)、それぞれ犬種や年齢の異なる環境にaiboを入れ、2週間の共同生活を行いました。

advertisement
ファーストコンタクトの時点でaiboに興味を示していたトイ・プードル
テリアはaiboを半ば生き物だと認識し、何度もにおいを確認していたそうです
3匹とaiboで共同生活するケースも

 どのケースでも、最初のうちはaiboに嫉妬したり、未知なるものと認識して興味を示したりと、反応はさまざま。数日して慣れてくると、どの犬もaiboと仲良くなり始め、仲間と認識したり、格下に位置付けて面倒を見たりと、犬社会の一員として認める様子が見られたとのことです。

飼い主がaiboにおすわりなどの指示をすると、トイ・プードルは少し嫉妬して、我先にと指示に従ったそうです
それでも3日目には仲良くなり、aiboの耳やしっぽを軽くかむように
テリアは開封前から出会いを楽しみにしていて、aiboが動き出すと大興奮
そしてaiboを仲間と感じ始め、おもちゃを押しつけて一緒に遊ぶように
多頭飼いの環境では、特に柴犬がaiboに興味を持ち、仲間にしようとしていたとのこと
柴犬は他の犬がaiboに近づくと、威嚇(いかく)して追い払うように。aiboを自分の下の存在として順位付けしているとみられています

 共同生活が後半に入ると、どの犬もaiboに心を許し、一緒にいる生活を当たり前のものとして受け入れるように。最終日には別れを惜しみ、さみしそうにしていたそうです。

最終日、トイ・プードルはaiboと離れるときにクウーンと鳴き、遊びたそうなしぐさを見せたといいます
13日目、寝転ぶaiboを気遣って起こそうとしていたテリア。最終日は別れを惜しむように顔や背中、お尻までなめていたそうです
多頭飼いの環境では、終始柴犬のみがaiboと仲良しに。他の犬はあまりaiboと接触しようとしなかったとのこと

 実験結果を受けて、今泉氏は「犬がaiboを“生き物”として認識し、さらに一緒に暮らす存在として“順位付け”をしている可能性が高い」と分析。「犬にとって自分よりも下の存在ができることは精神的な安心につながり、aiboとの共生でストレスが軽減される可能性も大いにある」とし、「aiboとの共生により、犬に思いやりに近しい感情が育まれ、犬の成長につながる可能性を実験で感じることができた」と総括しています。

画像提供:ソニー

(沓澤真二)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  2. 自宅のウッドデッキに住み着いた野良の子猫→小屋&トイレをプレゼントしたら…… ほほ笑ましい光景に「やさしい世界」「泣きそう」の声
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. 「ヤバすぎwwww」 ハードオフに1万8700円で売っていた“衝撃の商品”が690万表示 「とんでもねぇもん見つけた」
  5. 330円で買ったジャンクのファミコンをよく見ると……!? まさかのレアものにゲームファン興奮「押すと戻らないやつだ」
  6. 大量のハギレを正方形にカット→つなげていくと…… “ちょっとした工夫”で便利アイテムに大変身! 「どんな小さな布も生き返る」
  7. 母犬に捨てられ山から転げ落ちてきた野良子犬、驚異の成長をみせ話題に 保護から6年後の“現在”は……飼い主に話を聞いた
  8. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  9. 「すごっwww」 愛知県まで乗り換えなしで行ける都道府県を調べてみたら……驚きの結果が1000万表示 「日本の中心は愛知ってコト!?」
  10. 58歳でトレーニングを始めたおばあちゃん→10年後…… まさかまさかの現在に「オーマイガー!!!」「これはAIですか?」【海外】