最新巨大客船の裏側へ潜入! 氷川丸と「客船80年の進化」を見比べる(2/3 ページ)
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最新大型客船の「最上級船室」に潜入
氷川丸が活躍した定期航路全盛期の時代、船室は特等、一等、二等、三等と、その階級が厳密に区切られていました。
現代の客船も昔ほど厳密ではありませんが上級等級を設けて、専用の広い船室や専用のレストラン、カフェ、バーにプールがあります。氷川丸では最上等級の「一等特別室」を保存して公開(関連記事)していますが、さて最新鋭の最上等級船室はどのようになっているのでしょうか。
ゲンティン ドリームの最上等級船室「パレス ヴィラ」の“2階建てキャビン”、さらには氷川丸の「一等喫煙室」「一等社交室」「一等読書室」に相当する、ラウンジやカフェなどのパブリックスペースを見ていきましょう。
パブリックスペースでは有料の上級レストランやバー、カフェがメインになります。上級レストランが氷川丸における一等食堂、バーやラウンジが一等社交場に相当するでしょう。なお、それぞれ有料であっても比較的低価格で利用できるところもあります。そちらは二等や三等の談話室に当たります。
昔でいうところの「一等社交室」に相当する「バーラウンジ」。ワイン、シャンパン、カクテル、クラフトビールとそれぞれの特化したバーを用意する客船も多い。ゲンティン ドリームでは日本にまだ出店していない「Johnnie Walker House」がある
「ジョニ黒」以外にも、米国に拠点を持つ探検家支援団体「Explorers Club」(日本の同名団体と関係はない)とのコラボレーションラインアップや1万樽のなかから1樽しか選ばれないという希少なブルーラベルまでオーダーできる
氷川丸などが活躍した定期航路全盛期の時代、客船は多くの人にとって「ただの移動手段」でした。そして、船のサイズもまだ小さかったので用意できる施設にも限りがありました。時間をつぶすのにとても苦労したといいます。
対して現代は、他にも早く移動できる手段があります。これを踏まえ、客船は移動手段としての装備の進化とともに、船客を楽しませる滞在施設の機能を大きく拡張しています。目的地までの移動手段ではなく、客船そのものが目的となりつつあるといってもいいでしょう。
そういう意味で船旅は、乗りものとしても滞在施設としても楽しめる「一粒で二度おいしい旅」ができるのかもしれません。
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