年に1度だけ、わずか15分のレア体験 秋田港の「貨物線」特別列車に乗ってきた:月刊乗り鉄話題(2018年8月版)(3/3 ページ)
あのレア列車「あきたクルーズ号」に、年に1度だけ安く乗れるチャンスがありました。乗ってきましたよ。
おまけ 「秋田港 海の祭典」:ポートタワーとか護衛艦とか
あきたクルーズ号に乗る目的は遂げました。帰りの列車は指定されていないので、駅の周辺や「秋田港海の祭典」もじっくりと楽しみましょう。
秋田港 海の祭典は秋田商工会議所などが結成した実行委員会が1996年から開催しているイベントです。展望施設のポートタワー「セリオン」を含む「道の駅あきた港」を中心に、2日間にわたって露店やステージイベントが行われます。
国土交通省の港湾業務艇に乗れる遊覧クルーズが珍しい。このほかに、海上保安部巡視艇、海上自衛隊護衛艦、潜水艦、陸上自衛隊の車両など、普段はなかなか見られない乗りものもたくさん展示されます。消防車やパトカー、白バイなどもたくさんありました。ポートタワー展望室から秋田港駅を見下ろせば、あきたクルーズ号からたくさんのお客さんが降りてくる様子が見えたりもします。
秋田港駅前広場ではミニ列車も運行し、親子連れが楽しそうでした。あ、そうか。あきたクルーズ号は、秋田港海の祭典への移動手段ではなく、祭典のアトラクションの一つなのかも? JR東日本も地元のお祭りを盛り上げるために、秋田港海の祭典に参加したのではないでしょうか。
この列車単体の売上は小さくても、この列車に乗るために県内各地から電車で訪れる人がいます。遠方から秋田新幹線「こまち」(関連記事)で訪れる鉄道ファンもいるわけで、総じて良い試みです。来年2019年もぜひ実施していただき、多くの方に楽しんでもらいたいです。
でも私は「次は、列車の趣旨に沿ってクルーズ船で訪れたい」と思いました。
すずなみの127ミリ単装速射砲。砲弾と薬きょうも展示されていた。砲弾は金属の塊で、薬きょうの火薬の爆発力で発射するそうです。どちらも重く、甲板には薬きょうが排出されたときのキズが残っていた:秋田港海の祭典
セリオンから見ると秋田港駅と港の位置関係がよく分かる。護衛艦すずなみがある位置にクルーズ船が着岸する。その近くの白い建物がクルーズターミナル。すずなみの手前の桟橋はフェリーターミナルで、敦賀、新潟、苫小牧への便がある:秋田港海の祭典
杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)
乗り鉄。書き鉄。1967年東京都生まれ。年齢=鉄道趣味歴。信州大学経済学部卒。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。出版社アスキーにてPC雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年よりフリーライター。IT・ゲーム系ライターを経て、現在は鉄道分野で活動。鉄旅オブザイヤー選考委員。ITmedia ビジネスオンラインで「週刊鉄道経済」連載。著書に『(ゲームソフト)A列車で行こうシリーズ公式ガイドブック(KADOKAWA)』『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。(幻冬舎)』『列車ダイヤから鉄道を楽しむ方法(河出書房新社)』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」。
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