いま「3D」VTuberが急速に増えている理由と、それでも失われない「2D」の魅力(2/3 ページ)
要はどっちも好き。
誰でも手軽に! 君も3DVTuber
さて、増加スピードを加速させた手軽なデビュー方法はいくつかありますが、その中でも特筆すべきなのは「VRoid Studio」と「Vカツ!」です(広告記事みたいな書き方ですが、原稿料以外は受け取っていません)。
「VRoid Studio」は絵を描く感覚で3Dモデルを製作でき、イラストレーターを中心に広く利用されています。目のカラーや髪の細かな部分まで書き込んでいけるので、こだわりを強く表現することが可能です。
「Vカツ!」はゲームのキャラメイクに近いタイプの、パーツを選択していく方式なので、誰でも簡単に3Dキャラクターメイキングが行えるサービスになっています。絵の描けない自分のような人には全くありがたいものです。
この2つのソフトが発表されてから、3Dの体を手に入れるという障壁が目に見えて低くなってきています。
もともと、3Dモデルを作る、ということは何十万円というお金がかかったり自分で勉強してもなかなか難しかったりと、手が届きにくいイメージが強いものでした。しかし、この2つのソフトが登場して以降は新規3DVTuberが明らかに増えていますし、今後3Dデビューを控えている、いわゆる“準備中”のVTuberもたくさん登場してきました。
これは、3Dモデルを手軽に作れて、いろんなところで使えるVRMフォーマットの良さが十全に発揮された結果だということでしょう。3Dデビューだけでなく、既存の2DVTuberが3D化する動きもあちこちで見かけるようになりました。
もちろん、全体的にVTuberの収益化が容認される雰囲気になりつつあることなど、これ以外の原因もあるのですが、これらのソフトが少なからず3D化のきっかけや動機を生み出しているのは間違いありません。
最近ではあちこちでBlender(3DCGソフト)などを使って一からモデリング放送をするVTuberも見かけるようになりましたし、今や3Dと2D両方の体を持ったVTuberも珍しくなくなってきています。
さらに直近では、カスタムキャストというスマートフォンアプリも登場してきました。
これは前述の2つと違って、キャラメイクからトラッキング(※動作をモデルへ反映させること)そして配信までスマホで完結しています。この手軽さからか、普段VTuberの動画を見ない一般層にも受け入れられている様子が、Twitterのトレンド入りを果たしたことからも見受けられます。
「#カスタムキャスト」のタグでは一般の人だけでなく漫画家や声優、アイドルなどたくさんの著名人が自分の好みを晒している様子を見ることができるかもしれません。
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