レビュー

「3日間4万円くらい」で帆走テクニックは習得できるキャプテンながはまの100万円で「船長」になる(4)(1/2 ページ)

帆走を覚えるならば「ヨットスクール」が近道。スパルタじゃありません。

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(前回に戻る)

 「本当は船に乗りたいけれど、大金が掛かるから」と諦めていた人に、「いえいえ、国産コンパクトカーを買い、維持するくらいの費用で船が持てますよ」という事実を伝えたいこの連載。

 前回までで、ヨットを買い、マリーナを確保して、船舶免許も取得しました。さぁ、いよいよ念願の船旅へレッツゴォォォ。……いいえ。まだこの段階では、ほとんどの人が「帆で走るヨットの動かし方」を知らないと思います。今回は「難しくない&怖くない、ヨットの動かし方を覚える方法」を解説します。

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船舶免許の実技教習では「エンジン付きボート」の操船しか教えてくれません

「ヨットの動かし方」を習得する方法

 船舶免許学校の実技教習は、エンジン付きボートをベースに行います。といいますか、エンジン付きボートの操船方法しか教えてくれません。ヨットは単語やイラストや写真でよく見る身近な船だと思いますが、実際に乗ったり、ましてや実物を操船したり、操帆したりしたことは恐らくないはずです。筆者も自分でヨットに乗るまでは「別世界の何か」と思っていました。

 そのために、ハンドルとアクセルで操縦するクルマ、ハンドル(舵)とスロットルで操船するエンジン付きボートに対して、動力源が「風」であるヨットは「大きく違う」「とんでもなく難しい」と思いがちです。風を読んで帆を操らなければならないのですからね。

 もちろんそんな心配は不要です。まず、ヨットもエンジンで航行するならば同じように舵とスロットルで操船できます。そして、帆を揚げて風で航行する(帆走する)にしても「舵と3本(実質は2本)のロープだけ」で帆を操れます。出港するときや帰港して着岸するときはエンジンで航行するので、ここはボートもヨットも同じです。着岸は操船の中で最も難しいですが、「車の縦列駐車よりは何倍も楽」です。


たくさんあるように見えるヨットのロープだが、操帆で使うのは真ん中の赤マーク入りのロープと、脇にある青マーク入りのロープ2本(反対舷にもう1本ある)の3本だけ

 とはいえ、ほとんどの人にとって「風を読んで帆を操る」は未経験の世界。この帆走と操帆を解説する入門書は意外とたくさん販売されています。理解しやすいお勧めのテキストもあります。帆走と操帆の技術って基本はシンプルです。

 しかし、乗りものの操縦はどれもそうですが……「感覚」で理解することがとても重要です。この感覚はテキストを読んだだけでは習得できません。読んで覚えた帆走・操帆知識を実践して体得する。やはりこの過程は欠かせません。

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ヨットスクールで覚えるか、弟子入りして覚えるか

 ヨットの帆走・操帆技術を「実践で習得したい」。そんな人のためにあるのが「ヨットスクール」です。

 ナントカヨットスクールと聞くと「えっ! あの? めちゃくちゃスパルタで怖いところでしょ」と身構えてしまった人、多そうですね。その良くないイメージのせいで、筆者はこんなに面白いヨットをやる人が増えないのではないかと思っていたりもします。これ、真面目な話です。

 もう1つの方法は、「ヨット乗りと知り合い・友達になったり、弟子入りしたりして、個人的に教えてもらう」です。ただ、筆者はこの方法を勧めません。教える内容や方法はその先輩ヨット乗り個人の主観で決まります。その方がヨット乗りとして有能であったとしても、講師として有能とは限りません。

 そして、ここが最も注意したいところ。多くのヨットの現場では、新しい人が入ってこないので慢性的な「人手不足」です。教える側の「せっかく入った便利な新人を手放したくない」といった身勝手な思いで仲間から抜けることを拒否され、トラブルになる残念なケースがあります。それでも個人的に弟子入りするならば「将来は自分でヨットを持つ予定。そのための技量を学ぶために乗りたい」とはっきり最初から伝えましょう。こう伝えて難色を示すようなヨット乗りに弟子入りする必要はありません。

 ということで個人的な経験としては、ヨットスクールに通うのが最も確実で、短期間で操帆技術を習得できます。実際に通うと、ほとんどの講師は至って温厚で、親切ていねいです。

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