「DMCA本来の目的から逸脱した利用を行ってしまった」――「侍エンジニア塾」運営会社、DMCA悪用で謝罪も「悪評隠し」については否定
DMCA申請を行った目的はあくまで「著作権侵害」への対処だったと説明しています。
プログラミングスクール「侍エンジニア塾」を運営する侍社は10月27日、同社が過去に実施したDMCA(デジタルミレニアム著作権法)申請について「DMCA本来の目的から逸脱した利用を行ってしまった」として謝罪しました。しかし、DMCA申請の目的についてはあくまで「著作権侵害」と説明しており、批判を浴びていた「Google八分」(逆SEO)目的については否定しています。
もともとは同社の不正疑惑について指摘していたブログに対するDMCA申請が発端。同社は過去、「侍エンジニア塾」の勧誘ページで「今なら通常10万円の入塾金0円」「先着20名様」「10/10(水)までに無料体験レッスンを受けた方のみ」といった記載を行っていましたが、実は「10/10(水)」の部分はスクリプトで表示されており、誰がアクセスしても「常に1週間後の日付」が表示される仕組みだったことがネットユーザーの指摘で発覚(景品表示法違反の可能性)。当該表記については「不適切な記載」「誤表記」であったとして修正されたものの、その後、指摘を行っていたブログに対しDMCA申請を行い、Google検索結果から削除しようとしていたことが発覚し、さらなる炎上を招いていました。
今回の謝罪はこうした流れを受けてのもの。同社はDMCA申請を行ったことについて、「DMCA本来の目的から逸脱した利用を行ってしまった」と認めるとともに、今後は「皆様の信頼の回復に努めてまいります」と謝罪。またGoogleに対し、DMCA申請取り消しの申し出を行ったことも明かしました。ただ、DMCA申請を行った目的については、批判を招いていた「Google八分」目的ではなく、あくまで同社サイトのソースコードを許可なくアップロードした「著作権侵害」によるものと説明しています。
都合の悪いサイトを検索結果に出させないなど、DMCAの悪用については昨今問題視されており、過去には求人サービス「ウォンテッドリー」が、自社への批判に対しDMCA申請を行い批判を浴びたことも(関連記事)。これに比べると、今回の謝罪については「DMCA悪用からの謝罪は初めて見た」「きっちり謝罪したことは評価できる」と評価する声も一部ではみられました。しかし、謝罪文では発端となった不正表記問題について触れず、あくまで「著作権侵害」でのDMCA申請としか説明していないことなどから、「悪評隠しという動機を正直に述べないからダメ」「むしろ検索結果からの排除以外のどんな目的でDMCA使おうとしてたのかご教示願いたい」などさらなる批判も招いているようです。
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