求人サービスを手掛ける「Wantedly(ウォンテッドリー)」が、自社に対し批判的な意見を書き込んだブログを「封殺」しようとしているのではないかという疑惑がネット上で関心を集めています。
Wantedlyは「多くの皆さまに、ご迷惑とご不安をおかけしてしまったことを深くお詫び申し上げます」と、公式サイト上で謝罪しています。
きっかけは匿名記事投稿サービス「はてな匿名ダイアリー」に8月24日に掲載された、「Wantedlyにツイートを消された(かもしれない)話」という記事。それによると、投稿者はTwitterからメールで突然「DMCA(デジタルミレニアム著作権法)の申請があったからツイートを消す」と連絡を受けたとのこと。メール内で申請者はWantedlyであると記されていました。
しかし削除されたツイートに書かれていたのは、「inst 社長ブログ」の「Wantedly(ウォンテッドリー)のIPOがいろいろ凄いので考察」という記事のタイトルとURLのみだったそうです。同ブログはWantedlyに対し批判的な内容も含まれており、投稿者は「もしWantedlyがやっているとしたら火消しのつもりなのかもしれないけど、こんなことやったら更に燃えそうな気もするんだけど」と、疑問を呈しました。
Twitter上では「自分もツイートを削除された」という報告が複数確認可能。また、「URLを貼り付けると削除されるらしい」という書き込みと共に、本当に削除されるか試すツイートも相次いでいます。
そもそも何が著作権に違反していたのか?
8月25日現在、「inst 社長ブログ」の同記事タイトルをGoogleで検索すると、検索結果に表示されないようになっています。検索結果ページの最下部を確認すると、「米国のデジタル ミレニアム著作権法に基づいたクレームに応じ、このページから 2 件の検索結果を除外しました」というGoogleによる説明書きが。 リンク先でクレーム内容を確認すると、Wantedlyの仲暁子代表の写真が無断で使われているとして、ブログ記事の検索結果からの削除が申請されていました。
こうした状況に対しネット上では、Wantedlyが写真の無断利用という建前を使い、自社にとって都合の悪い記事を削除しようとしたのではないかとする意見が噴出。また、当初ブログに掲載されていた仲代表の写真は1枚のみ。引用の範囲であり、そもそも著作権違反に当たらないのではないかという意見も見られます。なお、画像は現在ブログ上から削除済みとなっています。
TwitterはなぜURLだけでツイートの削除に応じたのか
TwitterにはURLを書き込むと、ページのサムネイルが表示される仕組みになっています。ツイート主に画像を投稿したという認識がなくとも、サムネイル画像に違反画像(とTwitterが判断した画像)が表示されたため、画像が削除されてしまった可能性がありそうです。
ねとらぼ編集部がTwitter広報に問い合わせたところ、「サムネイル画像であっても、著作権違反と判断された画像の場合は削除する場合がある」との説明がありました。なお、Wantedlyにまつわるツイート削除の理由については「個別案件についての回答はしていない」できないとのことでした。
取材に対し、Wantedlyは「反省」
Wantedlyはねとらぼ編集部の取材に対し次のように回答しました。
ねとらぼ Web上では、「写真の無断使用」という建前を用いて、自社にとって不都合な情報を封殺しようとしているのではないか、といった疑念の声が多く見られます。こうした意見についてはどのようにお考えでしょうか
Wantedly広報 確かにそのような印象を与えてしまったという点に関しまして、当社でも反省しております。この度は、あくまでも、弊社が著作権を有する画像の無断使用はやめていただきたいとの判断に至りました。多くの皆さまに、ご迷惑とご不安をおかけしてしまったことを深くお詫び申し上げます。
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