「図書館タクシー」に乗ってきた！　本を……朗読!?　はぁ？　実は「超リラックスしちゃえる」新体験だった（2/2 ページ）

「移動時間をステキに演出したい」という思い

　日本交通は「移動時間をすてきに演出したい」と常々思っているそうです。

　タクシーは忙しいビジネスパーソンが多く利用します。しかし忙しそうに見えても、乗車中は仕事から離れてゆったりと過ごす人が多いといいます。そんなひとときの時間をさらなるリラックスタイムにする手段としてオーディオブックに魅力を感じたそうです。

　一方のオトバンクはaudiobook.jpを通じたオーディオブックのさらなる認知、普及を見込み、「耳のすき間時間」がある、生活に浸透したサービスとの連携を進めています。例えば、飛行機や高速バスでの移動中、あるいは入浴中など。タクシーもその1つでした。

読書、本当はしたい人が大勢いる

　オトバンクのオーディオブック配信サービス・audiobook.jpは2018年10月現在、50万人の会員を抱え、前年比3倍で成長しています。

　昨今は「読書離れ」なども叫ばれますが、同社の調査によれば「本をもっと読みたい」と感じている人も65％いるそうです。時間がない、目での読書が難しい、読むのが苦手など、本当は読みたいけれど何かの理由でできない人も一定数います。

　内容を読み上げてくれるオーディオブックならば、老眼の人も、まとまった時間がなくても、文字を読むことに苦手意識があるとしても、比較的手軽に本と触れ合えます。特に、すき間時間の多くを占める「移動時間」を読書に充てられるのです。実際、オーディオブック利用者の約6割が「移動中に使っている」といいます。移動時間を豊かにするのにうってつけのサービスなんですね。

期間中の予約で、運賃、予約料金、迎車料金が無料になるキャンペーンも

　本のない図書館タクシーはひとまず2018年11月11日まで、日本交通が東京23区、武蔵野市、三鷹市の営業エリアで運行します。期間中、専用サイトで事前予約すると、抽選でタクシー運賃、予約料金、迎車料金が無料になるキャンペーンも行います。予約は抽選です。もちろん運良く空車が見つかれば、通常通りに道や乗り場からも乗車できます。

　また、運行する3台のうちの1台はさらに特別な「ラッキータクシー仕様」なのだそうです。何がラッキーなのかを質問したのですが「それはお楽しみで♪」とのこと。うーん、気になります。

　都内にタクシーは5万台近く走っているそうです。そのうち3台しかない期間限定のレアタクシー。日本交通は「予約ではなく、たまたま乗車したお客さまの反応も気になります」と話していました。出会った人はかなりのラッキーパーソン！　タクシーの魅力を高める新しい施策とともに、強運をかみしめつつ読書の秋を堪能するとよいですぞ！

（高橋ホイコ）