レビュー

酒好き酔っといで~ しなの鉄道「ろくもん」に新コース、信州の冬を楽しむ飲んべえ列車!月刊乗り鉄話題(2018年11月版)(3/3 ページ)

ほろ酔い、満腹、良い気分~。旨飯と女性杜氏さんのお酒で酔える「雪見酒の旅」に乗ってきた。真田幸村も(たぶん)びっくり。

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BGMはジャズ、そして弦楽の生演奏も

 ろくもんはこうして折り返し地点の黒姫駅に到着。真冬だとかなり寒そうですが、酒で温まった身体を冷ましに行くのにぴったりです。


黒姫駅。晴れていれば背後に黒姫山がドーンと見えます(この日は曇りで残念)

 この駅には小林一茶の歌碑が2つ、駅の内と外にあります。黒姫は俳諧師、小林一茶の出身地であり終焉(しゅうえん)の地。徒歩15分ほどの小丸山公園に一茶記念館と一茶の墓もあります。停車時間は17分。そこまでは行けないので、駅ナカの歌碑を拝んで列車に戻りましょう。黒姫駅には駅ナカマルシェとそば屋もありました。


黒姫駅のエキナカマルシェ。農産物がどれもおいしそうなんですよ……

 帰路も酔い酔い酒宴の続き。なんと、バイオリンとチェロの生演奏が行われました。

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 バイオリンは細川奈津子さん。ウィーン国立音楽大学を最高位で卒業されたすごい方です。チェロは小嶋遼子さん。国立音楽大学、洗足学園音楽大学大学院のご出身です。お二方はろくもんの「姨捨ナイトクルーズ」で演奏されていらっしゃるそうです。


バイオリンは細川奈津子さん。チェロは小嶋遼子さん

 選曲は食事と会話と共に楽しめるように選びつつ、NAGANOメドレーとして長野県出身の国文学者、作詞家の高野辰之さんにちなみ、「ふるさと」「おぼろ月夜」などの調べ。

 そして、この列車では欠かせない「真田丸のテーマ」! この曲がかかると、乗客たちはグラスや箸を降ろして聴き入り、盛り上がりました。生演奏以外の時間も、BGMとしてジャズが流れています。

 ほろ酔い、満腹、良い気分で2時間の「ろくもん」列車旅が終了しました。

 名残惜しいけれど降りなくちゃ。あれ、なんだかカバンが重いぞ。開けてみるとなぜか自分の頭より大きなキャベツが入っていました。なんらこれは。あ~、黒姫駅の駅ナカマルシェで200円らったやつだ。これがよっぱらうということか。

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【訂正:2018年11月20日 初出時、牟礼駅の写真キャプションに誤記がありました。お詫びして訂正いたします】

観光列車「ろくもん」の2019年冬の新プラン概要

北信濃雪見酒プラン

  • 出発日:2019年1月20日、2月17日
  • 旅行代金:食事付きプラン 1万4800円(大人、子ども同額)、乗車プラン 大人5900円/子ども3500円

姨捨夜景と利き酒プラン

  • 出発日:2019年1月13日、2月2日
  • 旅行代金:食事付きプラン 1万6800円(大人、子ども同額)、乗車プラン 大人5900円/子ども3500円

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

乗り鉄。書き鉄。1967年東京都生まれ。年齢=鉄道趣味歴。信州大学経済学部卒。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。出版社アスキーにてPC雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年よりフリーライター。IT・ゲーム系ライターを経て、現在は鉄道分野で活動。鉄旅オブザイヤー選考委員。ITmedia ビジネスオンラインで「週刊鉄道経済」連載。著書に『(ゲームソフト)A列車で行こうシリーズ公式ガイドブック(KADOKAWA)』『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。(幻冬舎)』『列車ダイヤから鉄道を楽しむ方法(河出書房新社)』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」。

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