上場したばかりの“期待株”に何が 「ReFa」「SIXPAD」のMTG株価が急降下
外部要因とは言えますが……。
2019年4月3日の株式市場で、トレーニング機器「SIXPAD」などを展開するMTG(東証マザーズ)が続落し、前日比87円安(-5.19%)の1590円で取引を終えました。前週末(3月29日)の終値(2300円)から31%も下落しています。高成長を期待され、「ユニコーン」とも目された同社に何が起きたのでしょうか。
今回の急落は、3月29日にMTGが発表した2019年9月期(18年10月~19年9月)業績見通しの大幅な下方修正が原因です。売上高を700億円→500億円へと大幅に引き下げ、営業利益は98億円→10億円、最終利益は63億円→6200万円と、ほぼ10分の1に落ち込むと予想しています。
MTGは1996年に創業し、美容ローラー「ReFa」(リファ)がヒット。健康志向の高まりから「SIXPAD」も話題になり、2018年9月期には売上高604億円、最終利益55億円を計上するまでに成長。未上場ながら高い企業価値(10億ドル超)の企業を指す「ユニコーン」と目されていました。
18年7月に上場を果たすと、公開価格5800円を上回る7050円で初値を付ける人気銘柄に。時価総額は一時3200億円に達しました。
「新EC法」
同社の説明によると、大幅な下方修正の最大の要因は美容ローラー「ReFa」の販売減です。その背景にあるのは、新たに始まった中国の電子商取引法(新EC法)。中国外で購入した商品の転売が規制の対象となった結果、「爆買い」の一因とも言われていた、中国人による転売目的の商品購入に急ブレーキがかかりました。
ReFaの売上高の約40%を中国人インバウンドが占めており、新EC法の影響でインバウンド売上高は155億円も減ると見込んでいます。中国現地での販売は計画通り拡大しているとのことですが、インバウンドの減少分をカバーし切れないとみています。その結果、ReFaの通期売上高は248億円と、前期と比べマイナス27%にとどまる見通しになりました。
SIXPAD事業は前期比プラスを見込んでいますが、ReFaのつまずきが大きく、通期の売上高予想は大幅に下方修正。コスト削減に努めるものの、利益も大きく減少する見通しになりました。
MTGの発表を受けて、大和証券は目標株価を5200円から1500円へ、野村証券は6800円から2300円へと大幅に引き下げています。MTGの時価総額(3日終値ベース)は631億円と、新規上場直後のピークから5分の1に落ち込みました。
成長を期待されて上場した企業が1年も経たずに大幅な下方修正を発表するのは異例のこと。投資家の信頼を取り戻すのは容易なことではないでしょう。
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