連載

「梱包に使われる発泡スチロールを再利用」 発泡スチロールとオレンジの皮から軽くて丈夫そうな包丁が誕生圧倒的不審者の工房

謎の蒸留装置が活躍します。

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 木材や鰹節など、さまざまな素材を包丁にしてきたYouTuber、圧倒的不審者の極み!さんが、今度は「発泡スチロール」とオレンジの皮」から包丁を作り出しました(関連記事)。

捨てちゃうものから包丁が生まれます ※砥ぎ音に注意

 通販を利用することが多いという圧倒的不審者の極み!さん。「梱包に使われていた発泡スチロールを再利用したい」という思いから、包丁を作ることにします。

いつの間にかたまってしまう発泡スチロールを再利用します

 今回チャレンジするのは、かんきつ類に含まれる「リモネン」という成分で発泡スチロールを溶かす方法。オレンジの皮をむき、白い部分を取り除いて細かく刻み、ミキサーにかけます。

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オレンジの皮をむいて
細かく刻んでミキサーにかけます

 次に作ったのは蒸留するための装置。牛の形の水差し(ミルクピッチャー?)や加工したスポイトなどを組み合わせていきます。

 装置ができたらペースト状になったオレンジの皮を水差しの中へ。下からキャンドルで熱して水差しの開口部をふさぐと、牛の口から蒸気が送り出される仕組みです。

 スポイトの中を通った蒸気は保冷剤で冷やされビーカーの中へ。試験管に移すと、抽出されたリモネンが上部に浮いているのが分かります。

牛さんが組み込まれた蒸留装置
下から炙ります
試験管の中にリモネンが確認できます

 発泡スチロールにリモネンをかけると溶けて透明に。アルコール分96%のウオッカを加えて攪拌すると、使っている棒に固形物がからみつきます。

 コップ1杯分ほどの発泡スチロールから出来上がった素材は指先くらいの量。オレンジの皮を蒸留して発泡スチロールを溶かし、攪拌する作業をひたすら繰り返します。

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リモネンの力で発泡スチロールを溶かします
ウオッカを入れて攪拌すると綿あめのように固形物が集まってきます
地道な作業を繰り返して素材を集めます

 包丁ができそうな量が集まったら、ヒートガンなどを使って平らな形に整えます。板状になった素材は段ボールが切れる位の硬さ。硬度計で測ってみるとフライパン(85.0)より硬い96.5という数値になりました。

平らな板状にしていきます
段ボールが切れるほどの硬さです

 本物の包丁を分解して板状の素材に形を写し取り、万力で固定。時々水をかけながら糸ノコギリで切っていきます。

本物の包丁の形に合わせて糸ノコで切断
包丁らしい形になってきました

 形が整ったら砥ぎの工程へ。砥いで砥いで砥ぎまくって、発泡スチロールから作った包丁の刃の出来上がりです。

あとはひたすら砥いでいくのみ

 包丁の柄ももちろん発泡スチロール。ヒートガンで溶かして棒状にします。先ほどの刃と合体させると発泡スチロール製の包丁の完成です。

包丁の柄は熱で溶かした発泡スチロール
刃と柄を合体させると
発泡スチロール製包丁の完成です

 オレンジを使って作った包丁でオレンジを試し切り。2つに切ったオレンジの中からはキュウリが現れます(どうやって入れたの?)。

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 ちなみにこちらの包丁は水に浮かぶ軽さ。錆びる心配もないので「アウトドアなどで役立ちそう」と勝手に妄想が膨らみます。

オレンジを試し切りしていると中からキュウリが
水に浮いちゃう軽さです
軽くて丈夫なので実用性は抜群(?)

画像提供:圧倒的不審者の極み!さん



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