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5000台の痛車を撮り続けた男が語る 外国人観光客も訪れる「聖地」秋葉原UDX駐車場がマジで愛されるワケ(1/3 ページ)

撮り続けて8年、約5000台の痛車を撮影してきた担当者にインタビューしました。

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 近年、オタク向けのイベントに限らず、さまざまな機会で目にすることが増えてきた「痛車」。アニメや漫画などに登場するキャラクターたちの大きなイラストをボディに描いたカスタムカーの一種として、ガチなオタクだけでなく一般層も取り込んで、いまでは立派なカスタムジャンルとして人気を集めています。

 そんな「痛車」を愛するオーナーたちから、”痛車の聖地”として長年親しまれているスポットがあります。それは東京都千代田区にある「秋葉原UDX駐車場」。痛車が集まるイベント(ミーティング)を定期的に開催して、オーナーたちの集いの場を提供するだけでなく、スタッフが自慢の愛車を撮影してくれる「痛車スナップ」サービスで人気を集めています。


痛車ファンたちで賑わう駐車場。2019年5月12日に開催された痛車とコスプレのイベント「痛コス」の様子

 そんなスナップサービスも今年で8年目に突入して、これまでに撮影してきた痛車は約5000台。この機会に秋葉原UDX駐車場で痛車スナップサービスを担当している駐車場綜合研究所の阿部さんにインタビューを実施! サービスを始めたきっかけから、「これまでに一番印象に残っている痛車」「昨今の痛車界隈の動向」「ぶっちゃけ儲かるのか?」など、いろいろな話を聞いてきました。

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秋葉原UDX駐車場内の管理室にあるイメージキャラクターの等身大パネル

2011年からスタート、約5000台の痛車を撮ってきた男

 秋葉原UDX駐車場の痛車スナップサービスが始まったのは2011年1月3日。記念すべき第1号はゲーム「クイズマジックアカデミー」に登場するキャラクター「ルキア」を推した三菱「コルト ラリーアート」でした。


記念すべき第1号は「クイズマジックアカデミー」ルキア仕様のコルトラリーアートでした

 駐車場内の通路など、ならではの「映える場所」に痛車を置き、照明などの機材にも気を配った本格的な撮影を行っており、ブログやFacebookで撮影した痛車の写真をほぼ毎日投稿し続けています。

 撮影を終えると、オーナーには写真のデータだけでなく、秋葉原UDX駐車場特製のクリアファイルやシール、駐車場60分サービス券といったノベルティのプレゼントもあり、この「痛車SNAP by UDX駐車場」と書かれたシールは痛車オーナーにとってちょっとしたステイタスにもなっています。ご当地ワッペン的な感じですね。


痛車スナップサービスでもらえるノベルティ

始めたきっかけは? マナー? 秋葉原UDXスタッフが語る痛車のあれこれ

――スナップサービスを始めたきっかけはなんだったんですか?

 阿部秋葉原のど真ん中というロケーションの関係から、元から痛車の利用者が多かったのですが、ゴミを捨てていったり、大きな声で騒ぐなど、一部でマナーの良くない利用者が目立ってしまっていました。

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 そのとき、当時の所長がどうしようかと考えていて、痛車を入場禁止にしようという意見まで出ました。


インタビューに答えてくれた阿部さん

管理室には痛車の雑誌も並ぶ

――痛車の入場禁止……今の状況からは想像もつかないですね

 阿部えぇ。でも「痛車NG」は間違っているのではないかとなって、じゃあどうするべきかを考えました。

 そもそも痛車は誰かに見てほしくてやっている面があるので、それなら見てもらう手伝いをしようと考えました。

――人に見られることで意識が変わることってありますものね

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 阿部いろいろ考えた結果、始めたのが今も続いている写真を撮ってWEB上に上げるというサービスです。そのサービスを始めたことによって、駐車場を使うマナーが良くなりました。簡単に言うと、「はじくより受け入れる」ことを優先に考えた結果が、この痛車スナップサービスになりました。

――痛車の撮影は最初から携わっていたのですか?

 阿部当時の所長が発案者ですね。私はその下にいました。そこで撮影を担当するようになって、かれこれ8年も続けています。


この広々とした地下駐車場が痛車オーナーたちの集いの場として親しまれている

――痛車スナップのサービスを始めた当初、利用者からはどんな反応がありましたか?

 阿部最初は痛車の利用者に「撮影をさせてください」と声をかけてお願いしていました。突然話しかけられて「写真を撮ってWEBにあげさせてください」と言われるわけですから、最初はかなり不思議がられて……。

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――「痛車天国」のようなイベントでもない限り、そんなこと言われませんもんね

 阿部当初はやっぱり断られることもありましたね。しかし根強く続けていくことによって、意思というか想いが伝わってきて、それを積み重ねてきたことで、今は利用者の方から声をかけられるようになりました。

――いつくらいからオーナーさんへ広まって声をかけられるようになったと感じていますか?

 阿部最初の1年間はずっとお声掛けしていて、2年目くらいから少しずつ撮影のサービスをやっていると知られるようになって、3年目になると利用者の方から声をかけてもらえるようになりました。


これまでに撮影した痛車の写真を公開しているブログ

――サービスを始めてから利用者のマナーはどう変化しましたか?

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 阿部すごく良くなりました。中でも、例えばバッテリーが上がった車があったときに、他の痛車のオーナーがバッテリーをつないで助けてあげるとか、利用者同士で助け合うという関係もできているそうです。

――正直、痛車スナップのサービスってどれくらい儲かるんですか?

 阿部んー…スナップサービスは1500円でやっていますが、撮影して加工して、そこに人件費やノベルティがかかるので儲けは少ないです。その儲けた分もノベルティにかけているので……。

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