5000台の痛車を撮り続けた男が語る 外国人観光客も訪れる「聖地」秋葉原UDX駐車場がマジで愛されるワケ(2/3 ページ)
撮り続けて8年、約5000台の痛車を撮影してきた担当者にインタビューしました。
――No.001の痛車が投稿された2011年1月3日から8年。ここまで長く続けることができた理由はなんだと思いますか?
阿部:まず、仕事半分、趣味半分な感じだからかなと思います。もちろん仕事なので真面目にやりますが、そもそも自分がアニメやゲームが好きなので、それあって仕事に取り組んでいるので楽しいです。趣味だから、です。
――これまでに約5000台の痛車を見てきて、印象に残っている痛車はありますか?
阿部:びっくりしたと感じたのは「初音ミク」や「魔法少女まどか☆マギカ」といったキャラクターの立体像が後方にある痛車です。ちょくちょく遊びに来てくれています。
――車種的に驚いた痛車はありますか?
阿部:これは2つあります。いすゞ自動車のエルフと、8メートルくらいあるリムジンです。リムジンは駐車場の中に入れなくて……仕方なく外で撮りましたね。
――約8年、痛車のトレンドを見続けてきて、どのような変化を感じましたか?
阿部:サービスを始めた頃は「初音ミク」や「けいおん!」が人気でしたが、最近になってくるとアイドル系コンテンツの人気が高いなと感じています。「ラブライブ!」や「バンドリ!」とか多いかなぁと。
ユーザーでは、撮影サービスを始めたころは30代から40代のお金を持っている層の遊びの一環として痛車に乗っていることが多く、年齢層が高かったです。
そのころに痛車を見てきた子たちが、最近になって車に乗り始め、痛車にあこがれて免許を取ってすぐに痛車にするというケースも多くて、徐々に若い世代に変わってきていると感じています。
――実際に訪れている痛車のオーナーはどこから来ている人が多いですか?
阿部:埼玉や群馬、あと愛知が多いですね。痛車天国のようなイベントのときになると、イベント前日に九州や沖縄、北海道など、全国各地から痛車がやってきます。
――全国各地から痛車オーナーが集まる場所。さすが聖地ですね
阿部:海外から来たって人もいますね。痛車を目当てに訪れる観光客がいて、ここ3年で問い合わせメールが来るようになりました。「この日にアキバに行くが、そのときに痛車はいるか?」という内容が多くて、だいたい「この日ならいますよ」と答えています。
あと「この車はいくらで売ってくれますか?」という問い合わせもありましたね。ディーラーじゃないんですが…。
――海外の痛車ファンにも知られているんですね
阿部:海外の日本紹介サイトでUDX駐車場が乗っているとのことで、それで来たという人が多いです。ここ最近は昔では考えられないほど海外の観光客が来ています。特にフランスとアメリカの観光客が多いですね。
当初は痛車の入場禁止も考えたという秋葉原UDX駐車場が、「痛車の聖地」と呼ばれるまでに積み重ねてきた歴史。痛車スナップサービスを始めたことが痛車オーナーのマナー向上に繋がっていたこと、痛車オーナーの年齢層が若くなっていること、海外からも人気のスポットになりつつあることなど、サービス開始から携わってきたからこそ語れる貴重な話を聞かせてもらいました。
今では痛車シーンを語るに欠かせない存在となった秋葉原UDX駐車場ですが、今後はビル全体を使った「大規模な痛車の展示会」をやってみたいと画策しているもよう。駐車場だけでなく、地上や2階のイベントスペースも含めた過去にない規模のイベントとなるようです。現時点では具体的にいつやるかまでは決まっていないそうですが楽しみですね。
(だい)
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