インタビュー

CMで流行ったものは1年以内に捨てられる? 漫画「ゴミ清掃員の日常」インタビュー(3)

買うタイミングが一緒なら、飽きるタイミングも一緒?

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 ゴミ清掃員と芸人の二足のわらじを履くマシンガンズ・滝沢秀一さん夫妻によるマンガ「ゴミ清掃員の日常」。捨てられた“ゴミのその後”などについて紹介し、SNSでも話題を集める同作について、滝沢秀一さんにインタビューしました。漫画本編もあわせて掲載します。

漫画「ゴミ清掃員の日常」とは?

 Twitterで閲覧数驚異の3200万超え。読むと分別したくなるエッセイ漫画。売れない芸人・マシンガンズの滝沢秀一は家族を養うためにゴミ清掃員に。何気ないゴミ清掃員の日常。その生活で見つけたゴミの知識やちょっとばっかりの幸せを届けます。滝沢秀一がネーム原作を、それを妻である滝沢友紀がタブレットひとつで作画。夫婦共作(どっちも漫画描いたことない)でお送りします。

原作者プロフィール:滝沢秀一

1976年生まれ。98年にお笑いコンビ・マシンガンズを結成。本業はゴミ清掃員で、芸人は副業。本作では原作・構成(ネーム)を担当。妻の友紀さんが作画を担当。夫妻の結婚記念日は5月30日(ゴミゼロの日)。

ゴミの世界にもある“流行アイテム”

―― 今回は、ゴミを「人々の生活の縮図」として考察したエピソード。「ゴミにも流行が反映される」というのは、なぜなんですか?

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 流行したものは、飽きたころに一斉に捨てられるんです。一時期すごかったのは「ワンダーコア」。みんな、どれだけ腹筋を鍛えたかったんだよ、っていう(笑)。その前は「ロデオボーイ」が多くて、2人で持ち上げなきゃいけないので大変でした。

―― 「これでシェイプアップしよう!」と買うタイミングも、諦めるタイミングも重なるのものなんですねえ……。

 テレビCMなどで流行すると、1年以内に捨てられるものです。この期間は値段などによって変わる傾向があって、ロデオボーイは安くないから、廃棄されるまである程度かかりました。ハンドスピナーは、ゴミになるまで早かったですよ。

 ゴミ清掃をしていると「人間は自由に生きているように見えて、本当は何かに操られているんじゃないか」と思うことがあります。

 例えば、誰かがメロンの皮が捨てているときって、不思議と他の人もメロンの皮を捨てていたり。キャベツの葉っぱなんかだったら「近所のスーパーで安売りがあったんだろう」と考えますけど、特にそういうイベントがなくても重なります。

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 それから、誰かがたくさんゴミを出している日は、他の人も多かったりします。自分だけが増えているんじゃなくて、地域全体がそうなっているっていう。

―― どうしてそんなことが起こるんです?

 僕の先輩が言っていた仮説なんですけど、「みんな、給料日が25日だからではないか」っていう。給料日前は節約して買い物を控えるものですが、給料をもらったら欲しいもの、必要なものを一気に買うでしょう?

 食べ物であれば賞味期限までに食べますから、自然と捨てるタイミングも近くなる。そういう風に、ゴミの種類や量の変化が似てくるんじゃないかなあ、と。

向上している“ゴミの質”

―― 回収するとき、怖かったゴミはありますか?

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 注射器ですね。

―― えっ、危ない……!

 清掃員として6年間働いてきましたが、最初のころはそんなこともあったんです。今はリサイクルという考え方が浸透してきたのか、そこまでヒドいゴミを見なくなりました。もっと早くから働いている知り合いは「8年前はもっとヒドかった」と言ってますし、“ゴミの質”は確実に良くなってますね。

 人々の意識や行動の変化には、やはり時間がかかるものだと思います。

 ペットボトルのリサイクルが始まったのは10年くらい前のことで、「ペットボトルから、ペットボトルが再生できるようになった」といっても、今はまだ一部しかできていません。だから、世間には「あまりリサイクルできないものまで分別するのは、やめた方がいい」という意見もあって。確かに分かるんですよ、言っていることは。

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 でも、将来的に全部できるようになったとき、「じゃあ、今日からリサイクルしましょう!」とお願いしても、人の行動はすぐには変わってくれないんですよ。だから、早いうちから分別を徹底しておくことにはちゃんと意味があると思います。

※ゴミの分別および処理の仕方は地域によって異なるので、お住まいの自治体にお問い合わせください。



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