「いつの間にかこの世界で一番大切なものになっていました」――大事なことに気付かせてくれるおっさん漫画家と3本足ワンコの物語(2/3 ページ)
待望の単行本化です。
ビルを眺める
いつでもエネルギッシュなちょんぴーちゃんは、雪にも全力投球! 大雪が降った日は、家の前で大はしゃぎして遊びます。興奮のあまり、「家の前で遭難しそうになる」という普段ではありえない場面も。そんなちょっとしたアクシデントも、ちょんぴーちゃんと一緒なら、忘れたくない楽しい思い出に。小田原さんとちょんぴーちゃんは飼い主とペットという関係を超えた、親友でもあり家族でもあるお互いに大事な存在なのが分かります。
雪の日に
しかし、ちょんぴーちゃんが1歳の夏にある事件が。いつものように布団の上で仲良くじゃれている小田原さんとちょんぴーちゃんでしたが、偶然ちょんぴーちゃんの左前脚の付け根にしこりを見つけます。嫌な予感がしてすぐに動物病院に向かう小田原さん。一度は「様子見てください」とかえされたものの、嫌な予感が消えずに再度病院へいき検査をすることに。その結果わかったのは、まだ1歳のちょんぴーちゃんの左前脚に巣くうがんの存在でした。
病気のこと
犬を飼うまでは、「犬が死んだくらいで」と思っていたという小田原さん。しかし、今やちょんぴーちゃんは親友であり家族でもある唯一無二の存在です。「ちょんぴーがもし死んでしまったら……」と想像するだけで悲しくなり、車を運転しながら大号泣してしまいます。そんな小田原さんに「これから遊びに連れていってくれるのー?」とばかりに、無邪気にじゃれてくる対照的なちょんぴーちゃん。「ペットの死」は、誰もがいつか考えなければならない問題です。「もし自分のペットが同じ状況になってしまったら……」と胸が締め付けられる場面です。
病気がきっかけで、その存在の大きさを改めて痛感した小田原さん。ペットショップにいた「単なる犬」だったちょんぴーちゃんは、いつのまにか「この世界で一番大切なもの」になっていたのでした。
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