インタビュー

「自分の顔を直したい」という強い気持ち エッセイ漫画「自分の顔が嫌すぎて、整形に行った話」インタビュー(2)

「『きれいになりたい』というより『直したい』という感覚」。

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 どうして私はこんなにもブサイクに生まれてしまったのだろう―― 整形の体験談を描いたエッセイ漫画「自分の顔が嫌すぎて、整形に行った話」。なぜ“顔を変えよう”と思ったのか。それによって、内面的にはどのような変化があったのか。著者・愛内あいるさんにインタビューしました。漫画本編もあわせて掲載します。(聞き手:直江あき

漫画「自分の顔が嫌すぎて、整形に行った話」とは?

 「整形して人生変えたい。自分を好きになりたい」

 幼少期から10年以上、ブサイクな顔に苦しんできた日々。そんな人生を変えるために選んだのが、「整形」だった――生きづらい人生の葛藤と解放を描いた、衝撃のノンフィクションマンガ。

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著者プロフィール:愛内あいる(Twitter:@aiuchi_airuInstagram:@aiuchi_airu

漫画家。愛知県出身。「ブサイクなので整形に行った話」がTwitter公開後に反響を呼び、生きづらい葛藤と解放の記録を描いた『自分の顔が嫌すぎて、整形に行った話』(KADOKAWA)を刊行、現在その後を描いた「結婚したいモンスターになった私の話」講談社漫画アプリPalcy(パルシィ)にて連載中。

その他の一部エピソード、購入先などはWebマンガ誌「コミックエッセイ劇場」に掲載されています

「自分の顔を直したい」という気持ち

―― 今回は整形したいと思いながらも、不安を感じていたというエピソード。踏み切るには勇気がいるものなんですね。

 そのころ(約10年前)は整形に関する情報がほとんど出回ってなくて……。美容整形クリニックのWebサイトで手術のビフォーアフターをよく見ていましたが、それ以外は2ちゃんねるか、mixiか、知恵袋かという感じでした。

 結局、「埋没法」というまぶたを糸で縫う手術方法で二重にしてもらいました。金額も約10万円で私の用意できる範囲でしたし、切開せずに済むやり方だったというのもあります。切るのは怖かったので。

―― 整形に向けて準備などはしていましたか?

 親の同意なしの整形は20歳以上にならないとできないんですが、当時は19歳でした。相談したら確実に反対されると分かっていたので、「早く20歳になりたい」「それまでに手術費用をためよう」と思っていて。20歳の誕生日が来たら、すぐクリニックに予約の電話を入れました。

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 整形は学生なら夏休みや春休み、社会人はお盆休み、転職のタイミングなどの長期休みに行うのが一般的らしいんですが、私は有給を1日だけ取得し、土日を含めた3連休を使いました。「とにかく早くやりたい」「自分の顔を直したい」という気持ちが強くて。

―― 顔を“直したい”ですか。

 うまく言えないんですけど「きれいになりたい」というより「直したい」という感覚でしたね。

整形で初めて“自分の人生を自分で決めた”

―― 「整形したいけど不安」から「整形したい」に変わった理由は?

 すごくきれいな友達がいて恋愛相談もしていたんですが、その子が私の好きな人と付き合っちゃったんです。それで「やっぱり顔を変えるしかない」と思うようになりました。

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 まあ、今となっては「単純に友達の方がタイプだったんだろうな」と思うんですけどね(笑)。彼女は私と違っておしとやかな性格でしたから、外見以外のいろいろな要素も影響して、ああいう結果になったんじゃないかなあ。

 でも、当時はそんな風に考えられなくて「好きな人がかわいい子に取られた」という気持ちで頭がいっぱいで、その悔しさをバネに整形することにして。まだ若くて自分の世界や知識が狭かったから、全て自分の顔のせいにしてしまったところもあるのかな。

―― 整形して自分の中で変わったことは?

 私の場合、整形は「外見が変わる」とは別に“反抗期”のような側面があったと思います。

 というのも、それまでは親の言うことが絶対で「良い高校に行き、良い会社に入り……」みたいな感覚。地元のきちんとした会社の正社員になって、実家で親の目が届く範囲で生活してました。

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 自分の意志で何かを決めた経験があまりなかったんですよね。だから、どうしても自分に自信が持てなくて。

 整形は自分でお金を稼いで、自分1人で同意書を書いて、全部自分の責任でやりましたから、私にとっては“自分の人生を自分で決める”という初めての体験だったんです。

(続く)

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