幸せを感じると体調が悪くなる女の子と、幼馴染の男の子　「設定が死ぬほど辛いけど、死ぬほど尊い」漫画

　幸せを感じると体調が悪くなるという珍しい病気の女の子と、学校を休みがちな彼女にその日の授業内容を教えにくる幼なじみの交流を描いた創作漫画が尊いと人気です。

　村川君は今日も入院中の幼馴染・水間さんに授業内容を教えにやってきました。明日も来てくれそうな水間さんに、「来たくて来てる訳じゃないから……」と、つれない返事の村川君。

　2人は幼い頃からの知り合いで、村川君は昔から彼女がよく倒れるのを見ていました。その後、同じ中学になるまでは疎遠になりましたが、久しぶりに会うと、水間さんから以前のような元気さは消えていました。幸せを感じると倒れてしまうという奇病のせいで、「幸せ」を少しでも遠ざけようと、徹底して心を閉ざすようになっていたのです。

　水間さんは高校に入ると体調がさらに不安定になり、入院するようになりました。そして、学校で唯一病気のことを知る村川君が、その日の授業内容を伝えに通うことに。

　病室にある本にハッピーエンドは1つもなく、聴く音楽には歌詞もありません。自分にできることは、そんな彼女と同じように心を閉ざして、胸に抱えた想いを押し殺し続けることくらいだと、心の中で思う村川君。

　すると、水間さんが突然「私、あなたのことが好き」と、思いを伝えてきます。水間さんのために感情を押し殺していた村川君もさすがにうろたえます。実は自分も……と言いかけると、それ以上聞いたら幸せすぎて死んじゃうかもしれないから返事はしないで、と水間さんが言います。そして、めまいが……。「幸せ」を感じたのかな!?

　村川君は「明日も来るよ。明日も明後日も、その先もずっと…毎日毎日『今の幸せ』が『当たり前』になるまでずっと来る」と水間さんに言います。今後、一緒にいるのが当たり前になったその時には、告白の返事をしたいと告げると、はにかんだ水間さんは「うん！」と言いながら、倒れてしまったのでした。

　最初はぎこちなくどこか緊張した状態の2人でしたが、水間さんの告白がきっかけで急速に距離が縮まり、しかも、表情も豊かに。2人とも自分の本当の気持ちを押し殺してきたこともあり、一気に思いが噴き出てきたことが伝わってきます。

　この漫画の読者からは「設定が死ぬほど辛いけど、死ぬほど尊くて辛い」「最初ふたりとも表情死んでるのに告白してからめっちゃ表情豊かになるのずるい…ずるくない？」「"幸せが当たり前になるまで"最っ高の治療法じゃないですか」「切ない話かと思ったらハッピーエンドかーい！すきー！」など2人の関係がよい方向に進みそうでよかったというコメントが集まっています。

　作者のてぃーろんたろん（@tearontaron）さんの短編漫画集『てぃーろんたろんの短編漫画集1Kindle版』が無料で読むことができます。

画像提供：てぃーろんたろん（@tearontaron）さん