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虐待を受ける少年が「いらない思念を隔離できる箱」に出会い…… 漫画「死念箱」がゾクゾクする(1/2 ページ)

少年が箱に閉じ込めた思いは……?

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 「いらない思念を隔離できる箱」に出会った少年を描いた物語「死念箱」が、「鳥肌がたった」「濃厚なお話」と人気を博しています。作者は漫画家の青水梨鴉(@hounds_tooth)さん。

 主人公の考生は、養父母に虐待される日々を送っていました。そんなとき、心に思ったことを隔離できる不思議な箱「思念箱」を売っている男、煙(えん)と出会います。実際に、泣いていた子どもにその箱を向けると泣き止んだのです。煙は考生に箱を1つ貸してくれます。


思ったことを隔離する、不思議な箱

 箱に思念を吐き出し、気持ちが楽になった考生。実は煙は「人間の思念を食べる獏」で、箱に詰まっていた考生の思念をたいらげます。その味が気に入ったらしい彼は、箱をいくらでも貸すので毎日思念を持ってきてほしいと取引を持ちかけ、考生はそれに応じることに。

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煙は箱に閉じ込めた思念を食べる獏だった

 つらい思いを吐き出すことで日々をしのぐ考生。ある日他人の思念が入った箱を開け、他人の思考に飲まれるような体験をします。他人の思念箱なんて開けるものじゃない――何かに気づいたような顔で、彼はつぶやきます。

 やがて考生は煙と会って帰ってきたところを養母に見つかり、外出禁止に。手元の思念箱は1つだけ。考生が耐えきれなくなったころ、空腹に耐えかねた煙が箱を受け取りに彼の家を訪れます。応対した母親は、煙に渡す前に箱を開いてしまいます。そこに入っていたのは、溜まりに溜まった養父母への殺意と包丁。殺意は母親の意識を飲み込み、彼女は包丁を手にして……。

 作品全体を覆うダークな雰囲気とゾクゾクする展開に引き込まれます。箱の特性を巧みに利用する考生の知恵に感心し、彼が絶望的な環境から抜け出せたことに安心しつつも、「これからも取引を続けたい」という煙の言葉にそこはかとない不安が……。絶望の源を消した考生がどんな思念を生み出していくのか気になります。

 同作は2017年にゲッサンの別冊「ゲッサンmini」に掲載された作品。7月には青水さんは新作読み切り「僕の教室」がサンデーうぇぶりに掲載されています。

「死念箱」

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