見えるはずのないものが見えるようになった女子高生(JK)を描いた漫画が、自分に置き換えてみるとやっぱり「ヤバい」としか言えない展開です。もしかしたら、今もこんな経験をしている人がこの世の中にいるのかも……?
雨の日にバス停でバスを待つJKの「見える子」ちゃん。雨に降られてかなり濡れてしまったところ、胴体に恐ろしい複数の顔が浮き上がっている何かの集合体のようなものが目の前に現れ、「見える?」と聞いてきます。しつこく「ねぇ見えてる?」と聞いてくるソレを前に、気づかないふりをして、スマホを取り出す見える子ちゃん。ソレは見えてないのだと諦めて消えていきます。ソレが消えた後、彼女は「超見える」と焦って震えるのでした。
2作目では家に帰り、「今日はヤバいの見ちゃったな」「盛り塩しよう」と思いながら歯磨きをする見える子ちゃん。うがいをしていると鏡に何かが映ります。バス停で会ったのとは違う、顔が180度傾き大きな目をしたものが。目が痛いふりをして顔を洗いながら、反応しないようにします。ホラー映画だと、次に見たときには消えてるやつだから、と自分を落ち着かせて、顔を上げると……まだ、そこにソレはいました。映画のように都合よくは消えないものなのね。
3話目は自室に戻り、盛り塩をして準備万端の見える子ちゃん。ヤバいのが見えても無視していれば消えるから大丈夫と自分に言い聞かせつつ、ベッドに座ります。スマホで「除霊」や「除霊グッズ」を検索しながら、「もう寝よう」とベッドに入ると、そこにもまた……。「ママ」と呼びかける子どものような これまでとは違うソレがいたのでした。見える子ちゃんは無視してベッドに入り、数珠を買うことを決意。盛り塩って効果ないんだ……。
4話の前編では、学校からの帰り道に、もう当たり前のように得体のしれない何かが見えてしまう見える子ちゃん。友達と話しながら帰っている途中で、道端にダンボールに入った捨て猫を発見し、友達はかわいいとはしゃぎます。最近ヤバいのしか見てなかったので癒しも必要と、見える子ちゃんも猫に近づきます。
しかしダンボールの中には膝を抱え、生気のない目でこちらを見る得体の知れない何かが……。友達が「飼おうかなあ!」と子猫を抱き上げると、ソレもダンボールから這い出てきます。「どう思う?」と聞かれた見える子ちゃんは心の中で「ヤバい」と思うのでした。子猫を飼ったら、もれなくソレも付いてくる……!? 後編が気になるところです。
見えないはずのものが見えてしまうなんて、しかもかなりの頻度でどこにでも現れるなんて、こんなに恐ろしいことはありませんよね。でも、見える子ちゃんは、焦ったり恐怖を感じているようではありますが、取り乱して叫んだり、誰かに助けを求めたりすることもなく、友達にも話さず、なんとか自分の中で冷静に対応しようとする強靭なメンタルの持ち主。見える子ちゃんの冷静さ故に、きっと“見えない”人からは普通のJKが日常を送っているようにしか見えていないのでしょう。それにしても、いろいろなタイプのソレに遭ってしまうのって、本当に大変だ……。
作者は漫画家の泉(@izumi000)さん。ヤングガンガンで読切「GEMINI-前後編-」を公開中です。
画像提供:泉(@izumi000)さん
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