レビュー

「ママチャリの電アシ」と何が違う? 欧州系e-bike「Tern Vektron S10」買っちゃった「Tern Vektron S10」ロードテスト(1)(1/3 ページ)

「趣味用スポーツ自転車に電動アシストなどいらねー」などと言っていた筆者が心変わってe-bikeにドハマリ。ママチャリ型電アシ自転車と何が違うのか、そしてなぜ買っちゃったのかを冷静に振り返ります。

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 「電動アシスト自転車」というと皆さんはどんな自転車を思い浮かべますか? 日本では、買い物や子どもの送り迎えなどの日常的な足として使う自転車にアシストモーターを積んでラクに乗れるようにした「シティーサイクル型/ママチャリ型の電動アシスト自転車」がかなり広く普及しています。

 その一方で海外に目を向けると、同じ「人力+電動モーター」でも少し違うところを目指しているようでして、ママチャリ型はあまりなく、スポーツ志向の「e-bike」というジャンルが欧州を中心にヒットしています。


試乗でほれ込んでしまって、まさかのe-bikeデビュー。これが買ってしまった「Tern Vektron S10」

 ビアンキやトレック、キャノンデール、スペシャライズド、ジャイアント、ルイガノなど有名どころの自転車ブランドも続々e-bikeを商品化しています。バッテリーやモーター、電力制御システムなどの電動化の核の部分となる「電動ユニット」は、限られたメーカーが供給しています。ここはコンポーネントの状況と似ています。

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 フレームを作り、完成車として製品化する自転車メーカーは無数にありますが、コンポーネント(フレーム、フォーク、ホイール、タイヤ、サドル、ハンドルを除いた自転車の基本パーツのこと。変速機、ブレーキや変速レバー、ボトムブラケット、ギアなどが相当します)の大半は、世界3大コンポーネントサプライヤーである日本のシマノ、イタリアのカンパニョーロ、米国のスラム(SRAM)のいずれかを採用しています。特にシマノは自転車界のインテルと言われるほどとすると、PCに詳しい人ならばその規模感、存在感が分かるでしょうか。


欧州で広くシェアを持つボッシュ製のe-bikeユニット

 e-bikeにおいては電動ユニットもコンポーネントに含まれますが、サプライヤーの顔ぶれは少し違います。e-bikeの本場である欧州市場で随一のシェアを持つのはドイツの「ボッシュ(BOSCH)」です。この他に、ヤマハ発動機、パナソニック、そしてシマノなどがあります。

 前置きが長くなりましたが、このボッシュ製電動ユニット「Active Line Plus」を採用したe-bikeとして、最初に日本上陸を果たしたモデルがTern(ターン)の「Vektron(ヴェクトロン) S10」でした。

 日本市場の自転車用電動アシストユニットで先行するメーカーにはヤマハ発動機やパナソニックなどがあります。例えばヤマハにはシティーサイクル型で知名度の高い「PASシリーズ」(関連記事)だけでなく、ロードバイク(を含むスポーツ車)型の「YPJシリーズ」(関連記事)も存在します。こちらを和製e-bikeとするならば、ボッシュ製電動ユニットを搭載したVektron S10は、いわば日本の公道で体験できる最初の「欧州基準のe-bike」と謳われています。

 なお2019年現在、日本におけるボッシュ製ユニット搭載車も既にかなりのモデルが上陸した他、シマノもe-bikeユニット「STEPS」の展開を加速しています(関連記事)。日本でのe-bikeは、いよいよこれからが旬のホットなジャンルとなりそうな予感がします。

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 続いて本題である「e-bikeは、日本のママチャリ型電アシ自転車と何が違うのか?」を確認してみます。

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