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酷道ならぬ「険道」ご存じですか? 地図に載ってない幻の県道「神奈川県道701号」を歩き通してみた(1/3 ページ)

幻の険道!? 県道701号、果たしてどんな道なの……?

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 「酷道(こくどう)」をご存じでしょうか。クルマではとても通れないくらいに道幅が狭かったり、路面が舗装されていなかったり、そもそも通行止めだったり……。そんな状態の国道のことです。それと同様に「険道(けんどう)」もあります。県道のことです。


この分岐、県道はどっちだ?

こ、これが「県道」なの?

 険道とは一体どんな道なのでしょう。神奈川の険道と言えば? で道路ファンから真っ先に名前が上がる「神奈川県道701号(大山秦野)」を実際に歩いてみました。

「幻の県道」と言われる神奈川県道701号

 県道701号は伊勢原市大山と秦野市寺山を結ぶ道です。しかし「幻の県道」と呼ばれる通り、通行者はほとんどおらず、地図にも記載されていない箇所があります。

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神奈川県秦野市のWebサイトに記載されていた県道701号の内容。「幻の県道」と紹介されていた(出典:秦野市Webサイト

 神奈川県平塚土木事務所の許認可指導課で道路台帳のコピーをもらいます。図面は1984年(昭和59年)に作成されたもの。「現況と一致している可能性は低いので気を付けてください」とのこと。うおおおお、まじか……!!


道路台帳はつなげることで道路の全容が分かる。のですが、部屋の広さが足りなかった

 現況が地図と異なる可能性は大いにありますが、これで地図で分からなかった部分のおおまかなルートも分かりました。いざ行かん!

 スタートは秦野市寺山にある神奈川県道70号(秦野清川)との合流地点。今回は終点から起点に向けて進むことにします。


今回は県道701号の終点からスタート

 しばらくはきちんと舗装された片道1車線の道路です。程なく左右に分かれた狭い道を残して行き止まりになりました。


しばらくはきちんとした片道1車線の道

普通の広い道路はこの先で終了。左右二手に分かれる

右の道は狭くなるものの舗装されている

 右の道は、離合(りごう)に気を遣いそうな道幅ですが舗装されています。住宅街にはよくある感じの道です。

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 他方の左の道はちょっと不安になります。草木が生い茂っており、暗くて狭い。車両通行止めの看板まで立っています。


左の道は……草木が生い茂っていた

回り道の案内看板にも、こちら(左の道)が県道701号だとしっかりと書かれていた

 回り道の案内看板とともに道路台帳も確認しましたが、やはり県道701号は「左の道」が正解でした。おい、うそだろう……? 

 看板案内によると「右の道」が迂回ルートに指定されています。こちらは市が管理する市道です(市道212号)。右の市道の方が道路幅員が広く、もちろんクルマで通れます。「県道のルート通りで歩く」などという目的がない限りは指示通り迂回ルートを使いましょう。

 では正しい県道701号を歩きましょう。左の道に入ってすぐ、道はさらに二手に分かれます。左の方が広く見えますが……正解は右です。


二股に分かれた道。県道701号はどっちだ?

 しかし、さらにその先はバリケード。完全な通行止めでした。先ほどの案内看板にもありましたが、このあたりは新東名高速が横切るところで、高取山トンネル西側の工事が県道701号のすぐ脇で行われています。工事に支障があるために車両通行止めにしているようです。新東名の工事が終わったあと、県道701号は復旧されるのでしょうか……?

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無慈悲なバリケード。県道701号は高速道路工事のため通行止めとなっていた

すぐ脇で行われていた新東名のトンネル工事

 こんなに早く地図と現況が違うことになるとは思いませんでしたが……仕方ありません。右の道となる迂回ルートを使って、通行止め区間の反対側まで行きましょう。基本的には、もう市道の方がメインルート扱いのようですね。


迂回ルートを通って通行止め区間の反対側へ

反対側の様子。左折すると県道701号ですが、やはり「通行止め」「通り抜けできません」との案内看板が立っていた

わだちの様子は残っているが、路面状況は悪い

「鎮守の森」という単語が脳裏をかすめる雰囲気だった

ウソみたいな神秘的な光景。これで県道なんだぜ

 この区間は、何だかジブリ映画に出てくるかような神秘的な光景でした。ここが指定された現役の県道であることに驚きを隠せません。新東名の工事によって反対側もここで行き止まりです。

 ……すごい道でしょう。しかし、こんなのはまだ序の口。「険道」たる本当の険しさはこれからです。

【修正 2022年11月7日】誤用文字列を修正しました。お知らせいただいた読者の方、誠にありがとうございます
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