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どうしてロボットゲーは流行らないのか? タニタのツインスティックがイイ感じだったので勝手に「ロボゲーについて語る会」をやりましたマシーナリーともコラム(3/4 ページ)

なぜ身体は闘争を求めるのに一向にロボットゲーは流行らないのか……。

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愛機感について

池谷:ロボットゲームとして段取りがうまいなーと思ったゲームは「リモートコントロールダンディ」だね。

1999年ヒューマンから発売されたプレイステーション用ソフト「リモートコントロールダンディ」。ロボットそのものではなくロボットを遠くから見ながらリモコンで操縦するキャラクターを操作するという鉄人28号体験ゲーのようなシステムが特徴

とも子:あー。評判は聞く。

しげる:やったことないんだよね。

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池谷:アレ面白いんだよぉ~~。ロボットを操縦するゲームじゃなくて、ロボットを操縦する少年を操作するゲームなんだよ。そのゲームのキャラを通じてロボットを操縦するっていう回りくどさが面白かった(※)。L1とR1ボタンあるじゃない。あれが両脚の前進後退に対応してるのよ。それを交互に動かすと前進するんだけど、タイミングがうまくいかないと脚がこんがらがって転んじゃったりするのよ。

編注……あくまで操作する「少年」の主観で進むので、戦闘が始まったらまず「ロボットを動かしやすい場所」に自分が移動しないといけなかったり、ヘンな場所で戦うと自分が敵や味方ロボットに踏まれてダメージを受けたりもした

とも子:ウオー。その面倒臭さはいいなあ!

池谷:とも子は好きなロボットゲームってなに?

とも子:いろいろやったからなぁ~~。それこそ「アーマード・コア」も「バーチャロン」もやったし、ガンダム系のゲームだって山のようにやったし、「ガングリフォン」「Z.O.E.」「ロストプラネット」「タイタンフォール」「ウルフファング」もやったよ。

しげる:やっぱゲームジャンルも雰囲気も統一されてないなあ。

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池谷:全部違うゲームだねえ。とも子はロボットゲームのどこが好きなの。

とも子:なんだろうな。私、持論なんだけど……ロボットに乗りたいって願望と自分の車が欲しいっていう願望、けっこう近いところにあるんじゃないかなってのがあって。ガンダムとか見てるときの気持ちもそうなんだけど、“愛機”に憧れがある。

しげる:愛機か~~。

池谷:「アーマード・コア」なんてまさにそうだよね。

とも子:「アーマード・コア」もそうだし、愛機感でいえば「バーチャロン」や「ガンダム vs.」シリーズでもそう。「俺はこの機体がいちばん肌に合う!」みたいなのって気持ちいいじゃん。

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しげる:それは格ゲーの持ちキャラとかとはやっぱ違うって感じる? ずっと「ストリートファイター」でガイルを使ってる人となにが違うの? 

とも子:やっぱ距離感が違うってかプラスアルファの雰囲気みたいなものは自分のなかではあるよ。「ストリートファイター」で本田使ってるときはやっぱ「私がエドモンド本田だ!!!」って思うけど「バーチャロン」でドルドレイ使ってるときは「ドルドレイの乗り心地めっちゃいいわ。こいつ最高」って思うもん。

しげる:自分がずっと乗ってるロボットをカスタマイズしたりするのがイイってことね。

とも子:カスタマイズにしてもそうだし、「コイツの操縦感すげえ手に馴染む!」って感じが楽しいのよね。

池谷:「バーチャロン」だとやっぱり「〇〇使い」って言うより「○○乗り」って言い方するもんな。

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とも子:そういう、このキャラは人間じゃなくてロボットです、ってゲームのほうから宣言することでプレイヤー側にもワンクッション敷かれて「キャラクターを操ってる」から「ロボットを操縦している」って気持ちになるってことはあるんじゃないかなあ。そういうゲームはキチンと「ロボットゲーム」っていうのは生かせてると思うし、私はそういうゲームが好き。

しげる:でもね……俺はミリオタなんで。

とも子:ミリオタだと愛機の概念はピンと来ないかもな。

しげる:俺はどうしても愛機表現に対して「ケッ!」って気持ちが発生するんですよ!

池谷:それってどういうこと? 詳しく聞きたい。

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しげる:例えば実際の戦場だったら……例えば東部戦線のドイツ軍の兵隊だったとするじゃない。で、整備不良で戦車が動かなくなったりするわけ。それをえっちらおっちら後方の整備中隊に運んでいって、コレ直してっつって取りあえず他の動きそうな代車をもらってきて嫌々前線に帰るみたいな……そういうロールプレイをしたいと思ってしまうわけなんですよ。愛機とか言ってる場合じゃないわけリアル戦場は。

とも子:まあその気持ちも分かる。そういう脳内設定で遊ぶときもあるわ。ガンダムのゲーム遊んでるときにケンプファーとか支給されるけど「いや、私はそういう高級機乗れないと思うんで……」ってずっとドム乗ってるとかさ。

しげる:現実で「専用機」みたいなのがあった軍隊ってほとんどないんだよね。完全にないわけじゃないんだけど。

池谷:でもやっぱり「専用機」って憧れない? 「ランバ・ラル専用機」みたいなの自分も欲しいって思うじゃん。

しげる:別に……。

とも子:私はそこ半々っていうか……。やっぱり私もロールプレイ大事にしたいみたいなところあるので、ガンダムとかだったら「自分専用機」みたいなのは憧れそんなになくて、ふつうのザクとかゲルググでいいよなみたいな感じかな。ただ、特別な武器があったり色が専用カラーだったりはしないんだけど、肩アーマーにナイフで「とも子」って彫り込んでおくみたいなそういう奥ゆかしさって感じが好きかな……。

しげる:うん……。俺は別にオットー・カリウスとかランバ・ラルになりたいわけではないんだよな。ネームドキャラには別になりたくない。無名の人で良い。

池谷:僕はやっぱりガンダムとかの前にライディーンとかゴッドマーズとかのスーパーロボットを通ってきたから、ロボットゲームやるときもやっぱり無双がしたいんだよなあ。ウルトラマンになりたいとかの願望に近いのかもしれない。

しげる:会話しててだんだん分かってきたけど俺は多分ロボットが好きなんじゃなくて戦争が好きなんだと思う。状況に翻弄されたりしたい。だから「装甲騎兵ボトムズ」は好きだけど「ベルゼルガ物語(青の騎士ベルゼルガ物語)」はそうでもないみたいなとこがある。

とも子:「アーマード・コア」なんかはアレ傭兵稼業だからさ、食っていくために人を殺すみたいなとこがあってアレはアレでいいよな。

しげる:一騎当千のヒーローになりたくねえんだよ。ノルマンディー上陸作戦に参加して「機関銃怖ぇ! 死ぬ!!!」ってのを味わいたいんだよ。

池谷:嫌だよ! ノルマンディーとか絶対参加したくないよ!

とも子:しげる、アレやろ? ロボットゲームから離れるけど「エースコンバット4」あんまり好きじゃないだろ? アレはまさに英雄になるゲームだもんな。

「エースコンバット」シリーズ。1995年からナムコ(バンダイナムコ)から発売されているフライトシューティングゲーム。最新作は2019年発売の「エースコンバット7 スカイズ・アンノウン

しげる:確かに「4」は趣味じゃない。「5」くらいまで開き直ってるとアリなんだけど。でも「エースコンバット」シリーズのめっちゃヨイショしてくれる感じは好きだけどね。

とも子:あれは「褒めの技術」がめっちゃ詰まった作品だよな。褒められるとうれしいんだ! というのを再確認できる。

しげる:人をおだてるにはこうしたらいいんだ! って勉強がすごくできる。

とも子:「4」の「ウソでもいいからメビウス1が来てるぞって言っておけ!」って通信が入るところすごい好き。褒められるときって回りくどい褒められ方した方がうれしいんだな。

池谷:僕、やってない。どういうこと?

しげる:例えばですね、「池谷さん、すごいですね」って直接褒められるより「池谷さん、○○さんが池谷さんのことすごいねって褒めてましたよ」って言われた方がうれしさが増さないですか?

池谷:うれしい……。

とも子:「エースコンバット」っていうのはそれを延々やってくれるゲームだ。

池谷:接待かな?

しげる:「ウソでもいいから今回の原稿を書いたのはしげるだって言っておけ!」って言われたらライター冥利につきますよ。

とも子:もはやロボットゲームの話でもなんでもなくなってきたな。

とにかくものすごい種類のタコスがあって何食ってもおいしいので楽しい。コロナやカクテルが飲み放題なコースメニューもアリ

ロボットは人の拡張なのが良さみなのかもしれない

しげる:俺、これまでやったなかでいちばん熱中したロボットゲームって初代PSの「攻殻機動隊」「オメガブースト」だなあ。

とも子:PSの攻殻いいよね。貴重な原作版モチーフの作品。「オメガブースト」も持ってたけどそんなやりこまなかったな……。OPムービーのチャラい感じが印象に残ってる。

しげる:マジで!? 俺は「オメガブースト」指が砕けるくらいやったよ。あのゲーム。ロックオンした敵を中心にZ軸方向にもグルッグル回れるんだよね。それが楽しくてさあ。

オメガブースト」1999年にソニーから発売されたプレイステーション用ゲーム。宇宙空間を360度縦横無尽に駆け巡ることができる

とも子:ああ確かに。あのころって重力にとらわれた感じのゲーム多かったもんな。確かにそれ考えると「オメガブースト」は「Z.O.E.」とかの先駆者って感じあるわ。

しげる:ステージ6の艦隊戦とか「あぁなるほど! 宇宙空間でロボットと戦艦が戦うとこうなるんだ」っていう納得があってめちゃめちゃ楽しかった。俺はやっぱり「人体だとできない動き」ができると楽しいのかなあってちょっと思えてきたわ。

池谷:そうね。そう言われてみると飛行機や戦車とロボットが違う点って、「人間っぽいけど人間じゃない動きができるんだろうな」ってところで、そこが実感できると面白いんだろうな。人間を拡張した感じというか。

とも子:人間ではできない動きできるよ。ロボットだから。

しげる:急にサイボーグっぽいこと言うのをやめろ。

とも子:でも人間を拡張した動きがロボットっぽくて楽しいってのはなんとなく理解できるな。言われてふと気づいたんだけど私、最初にテレビゲームで「うおー ロボット操縦するのって楽しいな!」って思った原体験って「がんばれゴエモン」のゴエモンインパクトかもしんない。

池谷:ゴエモンインパクトはちょっと違くない!?

「がんばれゴエモン2 奇天烈将軍マッギネス」から登場する巨大ロボ、ゴエモンインパクト。ボス戦ではコックピット視点となり、敵巨大ロボットとパンチや小判バルカン、キセルボムなどの武器を使いこなして戦えるのが人気

とも子:いやでもあのコックピットにゴエモンたちが乗ってガチャガチャ弄る感じとかさ! 楽しかったよ! ボス戦の前にガッチャガッチャ建物とか小さいロボとかを破壊するフェーズもすげ~万能感あってよかった。あ、ロボットゲームに求めてる要素、「破壊」もそうかもしんない。

しげる:まあ破壊はなんとなく分かる。爆発すると楽しい。現実には存在しない巨大ロボットという存在でいろいろ破壊できるというのは爽快だし夢がかなう感じある。

池谷:「リモートコントロールダンディ」ではビルとかガンガンぶっ壊せるんだけどクリア後に莫大な損害賠償を請求される。あとうっかりコケて周りのビルを巻き込んでも請求が来る。

とも子:世知辛い。

池谷:毎回ステージ内にヒロインの家があるんだけど、壊すとどんどん切ないことになっていくんだよ……。でも「すげー巨大な力を操ってるんだなあ」って実感はあった。確かに。

とも子:ビル解体する重機を見て「力」感じちゃうアレに近いのかもしれん。ちょっと思ったんだけど、「ロボットゲームって別にロボットじゃなくてもできる」って話が何度も出てるけど、じゃあなんでロボットだと好きに感じてしまうのかって理屈、アメリカのニンジャ信仰に近いんじゃないかな。

池谷:なにそれ。

とも子:スーパーヒーローとかはなんだかんだで出生とか偶然のきっかけとかで能力を得るのがほとんどだけど、ニンジャは修行すればなれるから俺でもなれるかもしれないって理屈でアメリカでは人気あるらしいのよ。

しげる:ある。

とも子:それと同じで、例えばウルトラマンとか魔法少女はやっぱり選ばれし者じゃないとなれないじゃん。でもロボットだったらさ、モノがあれば乗ることで「巨大な力」が手に入るわけじゃん。そのギリギリ手が届くかもしれない感がいいんじゃないの。

池谷:ああ、それはあるかもなあ。

焼きとうもろこしのエローテ。焼いたとうもろこしにライムやマヨネーズ、チーズをまぶしたもので舌に触れるととうもろこしなのに「エッッッ!?!? フルーティーな酸味が!?!?!?」ってなって爆笑する。おいしくて面白い料理

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