ニュース

“みんな”が買い物に行きたくなるバリアフリーな試着室 「このようなフィッティングルームが当たり前になったらいいな」

車いすユーザーによるレポート動画が参考になります。

advertisement
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 有楽町マルイ(東京都千代田区)にあるユニバーサルデザインの試着室が「素晴らしい」「買い物行きたくなる」「地方にも広まってほしい」と反響を呼んでいます

これはすごい……!

 撮影・投稿されたのは、有楽町マルイ7階の店舗「みんなのオーダー by VISARUNO」に設置された試着室「みんなのフィッテングルーム」。9月に体験会が開催された試着室で、世界中を旅している“車椅子トラベラー”のMiyo(三代達也/@saitoumokichi)さんが、実際に車いすのまま入ったときの様子を紹介しています。

試着室に入るところ

 まず入口の開けやすい引き戸や段差のない床、手すりはもちろんのこと、入ってすぐの壁には、耳が聞こえない方向けに「筆談ボード」と、光が眩しく感じるといった弱視の方向けに「照明の明るさ調整コントロール」が設置されています。

advertisement
入ってすぐ右側に「筆談ボード」と「照明調整コントロール」が
車いす(Miyoさんの場合)からも手の届くくらい高さ
入ってすぐに筆談で伝えられるので便利そうです

 そして特に目を見張るのはその広さで、車いすやベビーカーでそのまま入っても余裕のある室内となっています。また、Miyoさんはこれまでの無機質な試着室のイメージが覆されるほど「清潔感とお洒落な内装」に驚いたそうです。主張の強すぎないオシャレ感が試着中の気分を盛り上げてくれそう……!

車いすでも動きやすい広さ

 試着を確認する鏡(手前と奥に2枚)も車いす全体が映る大きさで、ちょっとした荷物を置いたりできる「収納ボックス」も手に届く高さで設置されています。ウェットティッシュが置いてある気遣いがうれしいところ。

側には収納ボックス
荷物がある場合などに助かりそうです

 さらに介助者や付き添いの方が必要で一緒に入る場合でも、試着室内に「仕切りカーテン」があるので安心できます。その奥の試着スペースには、ゆったり座れるくらいの広めの「着替え台」があり、また車いすから移りやすい形となっているようで、Miyoさんの場合は1人でも移動ができていました。

奥にはしっかりとした印象の仕切りカーテン
車いすの方向けに考えられたソファの形や、鏡の横にある手すりも素晴らしい
仕切りカーテンの奥も広さは十分そうです

 店員さんを呼べる「呼び鈴ボタン」もあり、ボタンの説明には点字もついています。また着替えることで暑さを感じる人のために扇風機も設置。スイッチで簡単にオン・オフできます。

手すりの横に店員さんを呼ぶボタンがあります
説明書きには点字も
着替え中に汗をかきやすい人には嬉しい扇風機

 部屋の広さ以外のそれぞれの機能は一見すると地味なものですが、利用者によっては“ある”と“ない”とでは大きな違いがあります。体験してみて感動したと話すMiyoさんは、同店の担当スタッフとも話す中で「それぞれの障害に合わせた100点満点の配慮は難しいかもしれない」としつつ、「完璧は難しいから…とこういったサービスに着手する事に対して二の足を踏むくらいなら、例え80点でも格段に使いやすくなっているので他の百貨店さんなどでも動き出して欲しいなぁと思いました」と、あらためて感じたようです。

advertisement
実際に車いすで中に入ってみた様子が参考になります
試着室というよりちょっと良い部屋だ……!
バリアフリーマップの「WheeLog!」サイト内でも紹介されています

 マルイの担当者に「みんなのフィッテングルーム」ができた経緯を聞くと、以前に車いすユーザーから「洋服のフィッティングはそもそも諦めている」という声があったとのこと。それをきっかけに、すべての人の満足を目指した試着室を開発。車いすユーザーだけでなく、LGBTの人や外国人などすべての人に向けて「みんなのフィッティングルーム」という名称に。「私たちの勝手な思い込みを押し付けないように、当事者の方のニーズを伺い設計に反映させました」と配慮して設置したとしています。

 設置後、車いすユーザーからは「車いすごと入れるフィッティングなんて経験したことがない」「安心して利用できる」といった声、また小さいお子さんのいる家族からは「家族で試着が楽しめる」「授乳室として使えた」などの声も寄せられたとのこと。今では「車いすユーザーの中では結構有名」「ネットで見ました」なんて声もあるそうで、うれしい反響を呼んでいるようです。

「みんなのオーダー by VISARUNO」の公式Instagramでも「みんなのフィッテングルーム」を紹介しています

 担当者によると、今のところ設置箇所を増やすといった具体的な計画はないそうですが、「このようなフィッティングルームが当たり前になったらいいな、と考えております」とコメント。上記でMiyoさんが話しているように、これから少しずつでも動き出すところが増えることで、“みんな”が行きたくなる、または行ける場所が広がるかもしれない――そんな期待が膨らむ試着室でした。

画像提供:三代達也(@saitoumokichi)さん



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 刺しゅう糸を20時間編んで、完成したのは…… ふんわり繊細な“芸術品”へ「ときめきやばい」「美しすぎる!」
  2. 友達が描いた“すっぴんで麺啜ってる私の油絵"が1000万表示 普段とのギャップに「全力の悪意と全力の愛情を感じる」
  3. 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」【大谷翔平激動の2024年 現地では「プレー以外のふるまい」も話題に】
  4. 後輩が入手した50円玉→よく見ると…… “衝撃価値”の不良品硬貨が1000万表示 「コインショップへ持っていけ!」
  5. 毛糸6色を使って、編んでいくと…… 初心者でも超簡単にできる“おしゃれアイテム”が「とっても可愛い」「どっぷりハマってしまいました」
  6. 「これは家宝級」 リサイクルショップで買った3000円家具→“まさかの企業”が作っていた「幻の品」で大仰天
  7. 「人のような寝方……」 “猫とは思えぬ姿”で和室に寝っ転がる姿が377万表示の人気 「見ろのヴィーナス」
  8. 余りがちなクリアファイルをリメイクしたら…… 暮らしや旅先で必ず役に立つアイテムに大変身「目からウロコ」「使いやすそう!」
  9. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  10. ウソだろ…… フリマに5000円で売っていた“信じられない商品”に思わず二度見 「やっぱり寂しい」