「オンライン署名の内容が後から変更可能」に「信頼できない」と懸念の声 Change.orgに問題ないのか聞いた
自分の署名がどんな名目で利用されるか分からないとして、信頼性に疑問を呈する声が上がっています。
オンライン署名サイトChange.orgで、署名の内容が開始後に大幅に書き換えられたことが指摘され、問題視されています。
問題の署名は当初「竹田恒泰氏の講演を中止に追い込んだサヨクをタイーホしてください!」との題名で公開され、関係のない人物を脅迫に関わったと名指しする内容でした。この署名はポリシー違反としてユーザーから通報され、現在は削除されています。
その後署名の題名が「教育勅語を義務教育に採用してください!」「教育勅語を義務教育に採用してください!それと『関西生コン事件』を報道して関係があると思われる国会議員を追究してください」と関係のないものに変えられ、内容も変更されました。
賛同を集めたあとで署名の題名や内容を変更できてしまうと、賛同した人の意図に沿わない形で署名が利用されてしまう恐れがあります。ネットでは「自分の署名がどんな名目で利用されるか分からんのならもう二度と使わん方が良さそうね」「もう迂闊に署名できない」「信頼性ゼロ」など信頼性に疑問を呈する声が見られます。
編集部では、Change.orgに署名の内容変更について問い合わせました。
―― Change.orgでは署名の題名や内容を好きなタイミングで変更できるのですか
Change.org 緊急性の高いキャンペーンや意思決定者に長期的に働きかけていくキャンペーンの場合に、立ち上げ後に状況に応じてキャンペーンの内容をアップデートしたり、より説得力のある内容にしたり、より多くの人に理解してもらえるようにわかり易くしたりできる余地があるよう、署名キャンペーンを立ち上げた後にその題名や内容を編集することは可能になっています(参考:キャンペーン文は後から編集できるの?公開後も編集していいの?)。
―― 署名の題名や内容の変更は規約上問題ないのですか
Change.org 編集できる機能は、上記の様に、キャンペーンの内容を状況に応じて調整し、当初の呼びかけ内容を維持やアップデートしながらキャンペーンの成功を達成するために備わっているもので、立ち上げ当初と違う目的や呼びかけの内容に途中で変更することを許容するものではありません。弊団体の利用規約やコミュニティガイドラインに違反する場合は、適切な対応を行うようにしています。
―― 題名や内容の変更について、今後何らかの対応を取る予定はありますか
Change.org 署名キャンペーンに関する報告や問い合わせがあった場合は、直ちに状況を把握し、規約違反の場合は、適切な対応を行うようにしています。状況に応じて、編集後の見出し・本文・画像を元に戻す、署名発信者のアカウントを削除する、問題が生じている署名キャンペーンを削除するなどの対応を行います。なお、キャンペーン内容に変更が加わった際に賛同者やユーザーができる対応には、下記の2つの対策が可能です。
- 賛同の取り消し(賛同者がキャンペーンが変更された後の内容に賛同できなくなった場合):賛同者は、賛同直後に受け取ったメール(30日間有効)、もしくは問い合わせフォーム(常時受け付けております)から賛同を取り消すことができます。
- 署名キャンペーンに問題があると報告(キャンペーンページの中身を閲覧できる人は誰でも可能):署名キャンペーンページの「ポリシー違反報告」のリンク、または問い合わせフォームから、キャンペーンが利用規約違反やコミュニティ・ガイドラインに違反していると報告をすることができます。
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海外のファンとみられるコメントも。
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