連載

「国鉄時代の空気感が、たまらねぇ……」 六本木ヒルズで開催中「天空ノ鉄道物語」のディープな楽しみ方(後編)月刊乗り鉄話題(2019年12月版)(3/3 ページ)

かなりディープな「気合い入りまくり」な展示に驚き! そういえば「アレのウラ」は初公開かもですよ。

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スマホ時代だからこそ、「時刻表」と遊ぼう! 分っかるかなー、この楽しさを

 鉄道ファンには欠かせない本といえば月刊の「時刻表」です。乗り鉄はもちろん、撮り鉄も撮影ポイントの列車の通過時刻を推し量るために必要。模型鉄もジオラマの参考になる風景や、実際の車両を観察するために旅に出ます。

 昨今、旅行の計画では乗換案内アプリや時刻検索サイトを使う機会が増えましたが、列車の全体的な動きを知るために冊子型の時刻表は欠かせません。2019年現在、大型の月刊時刻表を発行するのは「JTB時刻表」のJTBパブリッシングと「JR時刻表」の交通新聞社です。掲載されている時刻は同じですが、路線の掲載順、詳しさ、色分けなどの見やすさで競っています。


東海道新幹線開業の1964年10月から現在までの時刻表の表紙を全て展示。版元の分担で、国鉄時代の1897年4月までは「交通公社の時刻表」、JR発足以降は「JR時刻表」を展示している。これは圧巻!

鉄道の主な出来事を動画で紹介。当時の時刻表で確認できる

 内周エリアの終盤は国鉄/JR系展示の締めくくりには、「JRコンテナ」や、今後期待の「リニア中央新幹線」がパネルで紹介してありました。ここは鉄道の未来を展望する部分なだけにもっと濃い内容が欲しかったところですが、全体的に「懐かしさ」をテーマにしているようだったので仕方ないかもしれませんね。もっともリニア中央新幹線については、JR東海が「リニア・鉄道館」(愛知県名古屋市)でしっかり紹介していますし、山梨県の「リニア実験センター」にも見学施設図があります。

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 でも、JR貨物についてはテーマに合わせて昔の古い貨車に関する展示もほしかったなぁ。貨物については三重県にある「貨物鉄道博物館」へ行くのもオススメです。


リニア中央新幹線の紹介と鉄道貨物の紹介

「ヘッドマーク」を作って遊ぼう

 内周部の終わりの方には「お客さん参加コーナー」があります。壁に路線図風のイラストボードがあり、テーブルには丸い紙とカラーペンがあります。ここで自分の好きな列車、乗ってみたい、走らせてみたい列車、メッセージなどを描いて貼っていきましょう。会期の終盤にもういちど訪れて、このイラストボードがどんな風に彩られているかを見てみたいです。

 なお、ボードに掲げられているモニターには、鉄道会社経営ゲーム「A列車で行こう」のオープニング画面が流れていました。特別版として「特別展 天空ノ鉄道物語」のロゴが入っています。開発販売元のアートディンクがA列車で行こうで作った動画コンテストを開催しています(応募は2020年1月31日まで)。応募作品の一部や優秀作品がこのモニターで上映されるとのこと。こちらも「特別展 天空ノ鉄道物語」の展示物に参加できる企画といえそうです。


ヘッドマークカードに記入したら……

イラストボードに貼りましょう!!

 「特別展 天空ノ鉄道物語」の主催は日本テレビ。テレビ局主催の万人向けの催しかな、と思っていたら、ここでしか見られない鉄道展示がたくさんあってびっくり。鉄道ファン目線でかなり見どころのある、そして家族でも楽しめる鉄道イベントでした。皆さんも見に行ってみてはいかがでしょう。

特別展 天空ノ鉄道物語

  • 開催期間:2019年12月3日~2020年3月22日
  • 開館時間:10時~20時(火曜日は17時まで)
  • 場所:森アーツセンターギャラリー&スカイギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)
  • 公式サイト:https://tentetsuten.com/

「特別展 天空ノ鉄道物語」 開場時間は10時~20時(火曜日は17時まで)です

 当日券は大人2500円。さいたまの鉄道博物館(1330円)や京都鉄道博物館(1200円)、リニア・鉄道館(1000円)よりお高め……と思いますが、実は森タワースカイギャラリー(展望フロア)の入場料(1800円)も含まれているため、特別展の入場料は実質的に700円です。

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

乗り鉄。書き鉄。1967年東京都生まれ。年齢=鉄道趣味歴。信州大学経済学部卒。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。出版社アスキーにてPC雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年よりフリーライター。IT・ゲーム系ライターを経て、現在は鉄道分野で活動。鉄旅オブザイヤー選考委員。ITmedia ビジネスオンラインで「週刊鉄道経済」連載。著書に『(ゲームソフト)A列車で行こうシリーズ公式ガイドブック(KADOKAWA)』『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。(幻冬舎)』『列車ダイヤから鉄道を楽しむ方法(河出書房新社)』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」。


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