【仕事のグチ、聞かせてください】ゲームセンターを辞めた理由　「禁煙化」をめぐる四つ巴のトラブル（2/3 ページ）

「禁煙化」を巡る四つ巴の店内対戦

　当時、うちのお店は運営会社の決定で全面禁煙化を進めていました。喫煙者のお客さまからは反対の声が上がりまして、なかでも過激だった一部の方に火のついたタバコを筐体に放置するといった嫌がらせを受けるようになったんです。

――　間接的に攻撃してくるとはなかなか悪質ですね……。

　喫煙者のお客さまの間でも「穏健派」と「過激派」に別れて派閥争いが始まりまして、非喫煙者さんと運営会社も含めた4方向から圧力をかけられ、対応しきれずに辞めてしまった形です。それまでマナーが良いと思っていた常連さんが率先して嫌がらせに加担していたのもショックでした。

――　前回、前々回の内容を踏まえても、Gさんのゲーセン勤務は悪質なクレームとの戦いだったのですね。

　「戦い」という表現が正しいかは分かりません。アミューズメント施設はお客さまに楽しんでいただくのが本懐です。クレームはお客さまの不満を解消して、笑顔にできるチャンスですから、やりがいを感じていた側面もありました。

　また、うちの店ではクレーム対応が得意なスタッフを必ず1人シフトに入れるよう調整していて、比較的働きやすい環境だったとも思います。

　実は、退職に至った理由がもう1つありまして……。うちのお店の運営会社は、他にも飲食業などを営んでいたのですが、正社員登用の条件として他業種への異動を命じられました。

　アルバイトのままクレーム対応に追われるか、正社員になる代わりに大好きなゲームセンターを離れるかを秤（はかり）にかけ、退職という第3の道を選んだ形です。

――　好きだったからこそ離れた側面もあったと。

　つらいこともありましたが、それでもゲームセンターで働いた10年間は楽しかったですね。

※本記事は取材対象者の声をそのまま記事化したものです。当該業界、職種などの労働環境一般を説明するものではありません。