インタビュー

【マンガ】「7年間くらいちゃんと寝たことがなかった」ほど忙しい育児生活 料理研究家が考えた“10分ハッシュドポーク”のレシピ

2人の息子を持つ料理研究家・たっきーママさんにインタビューしました

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 小さな子どもを持つ親にとって、日々の食事は悩みのタネ。栄養面も気になるけど、食べてくれなかったら元も子もないし、子どもによって好き嫌いが違うし、そして、他の家事や仕事もやらなければならないし……。

 そんな慌ただしい毎日の中で、料理研究家・たっきーママさんが考案したレシピを紹介するエッセイマンガ「不器用な私が家族を笑顔にする魔法のレシピを作れるようになったわけ」。オリジナルレシピが生まれる背景にはどんな育児の苦労があったのか、インタビューしました。マンガ本編もあわせて掲載します。(聞き手:直江あき

マンガ「不器用な私が家族を笑顔にする魔法のレシピを作れるようになったわけ」とは?

 人気料理ブロガー・たっきーママ。簡単でおいしい人気のレシピは、働きながら2人の息子を育てつつ、毎日の家事に奮闘する日々の中から生まれました。

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 そんな家族のために考えた15皿の物語をコミックエッセイ化。出産後に直面した“進まない離乳食”問題に始まり、仕事復帰で朝晩は戦場! な日々のお助けメニューなど、実生活に根差した本当に使えるレシピとともに紹介します。

原作者プロフィール:たっきーママ(奥田和美)(Twitter:@kazumi_okuda/ブログ:たっきーママ(奥田和美) 公式ブログ

料理研究家。料理レシピ本大賞in Japan'2016入賞。レシピブログアワードお弁当部門グランプリ3連覇。最新刊『材料も手間も最小限。たっきーママの「めんどくさい!」がなくなるレシピ』(扶桑社)ほか著書全14冊出版、累計100万部突破。高1、小6男子の母。嵐と、マンガを読むのが趣味。

第3話「10分で完成ハッシュドポーク」

その他の一部エピソード、購入先などはWebマンガ誌「コミックエッセイ劇場」に掲載されています

「7年間くらいちゃんと寝たことがなかったんですよ」

――― 第3話には、イヤイヤ期ならではの大変さが描かれていますね

 1人目のときは何をどうすればいいか分からないし、イヤイヤされるとこっちも嫌になって、泣きたいのはこっちだって思っていましたね……。今振り返ると、思い詰め過ぎていました。イヤイヤ期の子を叱っても堂々巡りなので、体力を消耗するだけなんですよ。途中からは、もう家の中がグチャグチャでも気にしないようにしていたんですけれども。

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 1歳前ぐらいのときはずっと座って抱っこしていないとダメで、置くと泣いちゃう感じだったので、座った状態で抱っこしたまま寝るというのを半年ぐらい続けていました。横になって寝られるようになっても、背中から手を離すと目を覚ましてしまい、1~2時間おきに泣いて起きるという状態が続きました。

 こういう夜泣きが3~4歳ぐらいまで続いて、また次の子が産まれたので、7年間くらいちゃんと寝たことがなかったんですよ。体力を消耗したくなくて、イヤイヤ期に付き合ってはいられませんでした。

 だから、ちゃんとしなきゃという気持ちは、途中から捨てていましたね。しんどいときは外食に行ったりして、とにかく食べてくれたら何でもいいやと思って。栄養バランスをしっかり考える余裕はありませんでしたね。

――― 料理作りが楽しくなったのは、お子さんが食べてくれるようになってからですか?

 独身時代からお弁当を作ったりはしていましたけれど、正直に言うと私は料理そのものはそんなに好きではないのかもしれません。また作ろうかなと思えるのは、おいしいと言ってくれる人がいるから。

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――― でもすごく研究熱心ですよね。何度も試行錯誤するのは大変なのに

 研究は好きですね。いろいろ試してみるのは好きなんです。大変ですけど、試行錯誤の末にできたときの達成感が気持ちいいです。

 自分で料理をしているときは何度も味見をして、もはや感覚がマヒしているので、夫には「どんな意見でもいいから教えて」と頼んでいます。普段は「おいしい」しか言わない人なんですけど、そしたら「ちょっとまだ薄いんじゃないかな」みたいに言ってくれるので。メモして、次の料理に活用していました。

とろみをつけるとき片栗粉ではなく、薄力粉を使うメリット

 私は“メモ魔”で、料理を作りながらでもメモを取りますし、外食中も気になったメニューをメモしまくっていました。冷蔵庫に入っているものも全部メモしておいて、「使ったら消して、買い物に行ったらまた書く」みたいなこともやっていました。

――― マメですね

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 けっこう便利なんですよ。買い物のときもノートを見ながら、これはあるとかないとか確認できるのでムダがないですし。書く作業が苦じゃない人にはとてもオススメです。

――― 市販品やお店の味を自分で再現するときは、まず何から始めますか? 既存のレシピをアレンジするくらいしかやったことないのですが、店の味を再現するコツなどはありますか?

 外食で子どもが食べてくれるメニューに当たったときは「どういう調味料を使っているか」「どういう食材を使っているのか」などを推測してメモしていました。何が入ってるんだろうと推測したものが当たっていたときは、すごくうれしいですよ。でも、一発でうまくいくことはなかなかないですね、今でも。

――― ブロガーとして活動されていますが、レシピを公開されるようになったきっかけは何ですか?

 毎日バタバタと生活していたせいで、子どもに何を食べさせていたのかまったく覚えてなかったので、メモとしてブログに記録するようになりました。

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 「これは食べてくれた」「これは食べてくれなかった」などと書いていたら、「これはどうやって作るんですか?」とコメントが来るようになって。同じようにあまり食べない子を持つ親御さんからが多かったですね。そのうち、子どもが食べてくれたものはレシピも載せるようになりました。

 今回のコミックエッセイでも、子育てで悩まれている方からの反響が大きくて、子どもの好き嫌いで悩んでいる方が共感してくださっているようです。

――― 第3話で紹介されているのは10分で作れるハッシュドビーフのレシピ。とろみをつけるのに片栗粉ではなく、薄力粉を使うメリットは何でしょうか?

 シチュー系の場合は、片栗粉よりも薄力粉の方が食べたときの食感や舌触りが良くなると思っています。食材に薄力粉をまぶしてから、ゆるく溶かしていくと口当たりが滑らかになるんです。

 それに、片栗粉だとダマになりますし、それを網ですくったりするのも面倒なので。しっかりとろみをつけたいときは片栗粉も使います。

――― 開発時、「もっと子どもに寄せた味にしたいなぁ」と考えられていたそうですが、大人でも子どもでもおいしいと思えるものにするためのコツなどありますか?

 子どもはやっぱり甘みがあると喜ぶんですよね。砂糖を入れ過ぎるのも気になるんですけれども、ほのかに甘みがあった方が食いつきはよかったです。うちは夫が子どものような味覚で、子どもが好きなものなら好きという感じだったのでラッキーでしたね。

(続く)

本企画は全4本の連載記事となっています

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