NHK、京アニ放火「共犯説」デマでまとめサイト運営者を提訴
京アニ放火事件について「NHK共犯説」を示唆する事実無根の記事を掲載していました。
NHKは1月24日、まとめサイト「LH MAGAZINE」編集長に対し、損害賠償および謝罪広告の掲載を求めて東京地方裁判所に民事訴訟を提起したことを明らかにしました。共同通信などの報道によると、損害賠償額は約700万円とのこと。
NHKによると、インターネット上では以前から、京都アニメーション放火事件に関し、NHKが放火に関与し証拠を隠滅したかのような事実無根の書き込みや、NHKのニュース映像を故意に加工した虚偽の画像などが拡散されていたとのこと。NHKはこれらの情報を発信していたサイト運営者に対し、これまで文書で損害賠償と謝罪を求めていましたが、損害賠償に応じる回答はなく、真摯な謝罪も行われなかったため、やむを得ず今回の訴訟に至ったとしています。
訴えられた「LH MAGAZINE」は、主に5ちゃんねるのまとめ記事を中心に投稿している、いわゆる「まとめサイト」の1つ。問題のデマを巡っては、NHKのディレクターの実名を挙げつつ、「なぜ放火犯の遺留品を回収したのか」「これが最大の謎」といったタイトルの記事を投稿。本文中でも、故意に加工されたNHKニュースの映像とともに、「NHK共犯説唱えられても仕方ないぞ」といった書き込みを紹介していました。
NHKコメント
京都アニメーションの悲惨な事件で、尊い命を奪われた方々に心からのお悔やみを申し上げますと共に、負傷された方々の一日も早い回復と、京都アニメーションの再建をお祈りします。
インターネット上の誹謗中傷による被害が深刻化する中で、NHKは事実を伝える報道機関の1つとして引き続き 放送を通してこうした 問題に対峙していくと同時に、悪質な虚偽の情報発信に対しては法的措置も含め、毅然とした対応をしてまいります。
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