JASRAC対音楽教室の訴訟、一審判決はJASRACの主張を支持
音楽教室側は、「JASRACには音楽教室から楽曲使用料を徴収する権限はない」と主張していました。
一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)は2月28日、音楽教室から楽曲使用料をめぐって起こされていた訴訟で、同協会の主張が全面的に支持されたと発表しました。
訴訟は2017年にヤマハ音楽振興会、河合楽器製作所などが結成した「音楽教育を守る会」が東京地方裁判所で起こしたもの。JASRACが音楽教室から楽曲使用料を徴収する方針であることに対し、音楽教室側は「音楽教室でのレッスンには著作権法に定める演奏権は及ばず、JASRACの徴収権限は無い」と主張していました。
東京地裁は、音楽教室でJASRACの管理著作物を演奏利用する場合は、演奏利用の態様(教師が演奏するか、生徒が演奏するか、録音物を再生するか)にかかわらず、その演奏利用全般に対して著作権が及ぶと判断し、音楽教室側の主張を退けました。
音楽教育を守る会は、「誠に遺憾ながら、原告団の主張は認められませんでした。これから、判決文の内容を弁護団とともに十分に確認し、控訴に向けて準備を進めて参ります」とコメントしています。
2021年3月18日追記
2021年3月18日に、教師の演奏には著作物使用料を支払う必要があるが、生徒の演奏には著作物使用料が発生しないとの控訴審判決が下されました。JASRACは承服できないとして、上告を含めた対応を検討すると発表しています。
2022年10月25日追記
2022年10月24日に最高裁でJASRACの上告が棄却され、「生徒の演奏には演奏権は及ばない」との判断が下されました。原告の「音楽教育を守る会」は、今後JASRACと音楽教室における講師の演奏と録音物の再生演奏についての適切な著作物使用料率を求める協議を始めるとしています。
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