ソフトバンクGの株価急騰で“逆ナイアガラ” 4.5兆円資産売却、大規模自社株買いの発表で買い殺到
現在の株価は過小評価されているとの主張です。
2020年3月23日の株式市場で、ソフトバンクグループ(東証1部)が急騰、ストップ高(値幅制限の上限)となる前営業日比500円高(+18.6%)の3187円に上昇しました。
同社は同日13時50分、最大4.5兆円の資産売却を発表。そのうち2兆円を自社株買いに使い、残りを負債返済などに充てると発表したことから、今後の株価上昇を期待した買い注文が殺到。日中の株価推移がほぼ垂直に上昇する“逆ナイアガラ”が現出しました。
ソフトバンクグループの株式時価総額は23日終値ベースで約6.6兆円。これに対し、同社が保有する中国アリババ(Alibaba)の株式などの資産価値は総額27兆円を超えるとしています。
ソフトバンクグループは、同社が保有する資産から考えると、同社株は「大幅に割り引かれて取引されている」状態であり、過小評価されていると主張。資産売却で財務を強化し、市場からの評価を改善したい考えです。
同社の孫正義社長は以下のようにコメントしています。
このプログラムは当社史上最大の自己株式取得であり、さらに過去最大の現預金等の増加につながるもので、当社の事業に対する揺るぎない自信に基づくものです。くわえて、このプログラムによって当社は、負債の削減を通じてバランスシートを強化します。なお、今回の資金化の対象となる資産は、当社の保有資産価値の20%に満たないものです。
最近のソフトバンクグループの株価は、投資先で資金問題が表面化した米シェアオフィス企業WeWork(ウィーワーク)の動向に左右されており、直近ではWeWork株の買い取りを巡る懸念から急落、3月19日には昨年来安値を更新していました。
こうした中で今回の資産売却を発表したソフトバンクグループ。財務体質の強化で信用格付けの向上を目指すとしており、「これらの取り組みは、事業の長期的な成長に対する取締役会の自信を示すものです」とコメントしています。
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