インタビュー

【仕事のグチ、聞かせてください】職場の“匿名意見箱”を悪用した個人攻撃→退職に追い込まれたというお話(2/2 ページ)

相談窓口に通報しても「証拠にするには匿名性が高い」と泣き寝入り。

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 ですが、そのような個人攻撃を受け続けているうちに、不毛なやりとりに疲れてしまって。次第に、職場の人たちに優しい態度が取れなくなっていく自分に嫌気がさしてきて……。

 そのうち「みんな口にしないだけで、本当はこの投書のように、私の業務に不満を持っているんじゃないか」と疑心暗鬼になってしまい、「どうして、こんなことを言う人たちのために働いてるんだろう」とモチベーションがどんどん下がっていきました。

匿名の人物はいくら推測できても匿名のまま

 意見箱への投書は上司の机に置かれるのですが、それを見て「何が書かれているんだろう」と常にビクビクしていました。

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 ついには「ありがとう」という好意的な内容も「わざわざお世辞を言わなくてもいいのに」と信じられなくなってしまい、それで「もうダメだ、辞めよう」と転職しました。

 退職の意を示した後、上司が該当の男性社員に「もうやめろ」とくぎを刺してくれて、投書の頻度が落ちました。その時点で「意見箱に書いてたの、やっぱりお前だろ」という感じなんですが、退職後、職場の相談窓口に通報したところ、「証拠にするには匿名性が高い」と、実質的に泣き寝入りでした。

 このやり方のいやらしいところは、たとえ投書した人物が状況的に予想できたとしても、確実にそうだと断定できないこと、それゆえに書いた本人を罰せられないことだと思います。


 また、Aさんは「昨今、このような匿名性の高いものを利用して他人を叩く風潮があります。しかし、“この程度”で人生設計をイチからやり直す人もいるのだと考えてもらうきっかけになれば」ともコメント。

 「退職から1年たった今でも、たまに思い出して悔しくて泣いてしまう」「その男性と似た背格好や声の人を見ると恐怖感を覚える」とのことで、悪質な投書による心の傷はまだ癒えてはいないようです。

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※本記事は取材対象者の声をそのまま記事化したものです。当該業界、職種などの労働環境一般を説明するものではありません。

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