コラム

4月10日は「駅弁の日」! みんな大好き「チキン弁当」、長く愛される“また食べたくなる”秘密やすこーんの「くらしの鉄道」(2/4 ページ)

無性に食べたくなる……名物駅弁「チキン弁当」はなぜ愛される? 製造の裏側に潜入してきました。

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55年愛されるチキン弁当のおいしい歴史


尾久駅からほど近い、製造している「日本ばし大増工場」を訪ねる

 あらためて、チキン弁当の歴史を簡単にご紹介します。

 1964年10月、東京~大阪間の東海道新幹線が開通し、東京オリンピックが開催した年にチキン弁当は生まれました。もともと新幹線の食堂車の洋食のコックさんが調整していたのがはじまりだそうです。

 ちなみに当時の幕の内弁当150円に対し、チキン弁当は200円と高価でした。

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 1974年、二段重だったチキン弁当が、現在の一段ボックスタイプに変更。二段重の頃のチキン弁当は、復刻弁当として、たまに限定販売されることもありました。

復刻弁当は下段にトマト風味ご飯、上段に鶏のからあげやポテトチップスなど

 そして2019年10月、誕生55周年を迎え、チキン弁当がリニューアルされました。

 なるほど、そういうことだったのですね。


話を伺ったJR東日本フーズ 弁当企画部の津野田隆正さんと、日本ばし大増 商品開発部の宍戸瑛美さん

津野田さん そうなんです。チキン弁当が誕生したのが東京オリンピックが開催された年、今年(2020年)もオリンピックが開催される予定だったのと、55周年ということで、外箱と中身、両方リニューアルすることになりました。


2019年秋までのチキン弁当(写真提供:JR-foods)

2019年10月から販売されている55周年記念弁当。卵そぼろがスクランブルエッグに、ポテトサラダが野菜のピクルスに、ドライトマトオイル漬けも追加されている(現在、ラムネは付いていない)

── 外箱もですが、中身も付け合せなどがだいぶ変わって、さらに好きになりました! 見た目も華やかになった感じ。チーズはそのままでよかったです。

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津野田さん チーズの前は、杏だったんです。2008年に杏からチーズに変えた時に、なぜ変えたのか? という意見が多かった。なので、今回はチーズを変えず、そのままにしました。

── 杏はかつての駅弁に欠かせない存在でしたもんね。今もまさにシウマイ弁当、峠の釜めしには杏が使われていますね。

津野田さん 外箱は、よく見ると55の数字がトリの顔になってますよ。


55周年記念のマーク入りは期間限定

── わ、ほんとですね! チキン弁当のからあげは3個入りと5個入りがありましたが、4個入りのみになったんですね。

津野田さん はい。そして実はからあげ自体も変わったんです。以前から、お肉が多少硬いという意見がありました。昔ながらのからあげなので、それがいいという人もいますが、今回、時代に合わせて、お肉を少し柔らかくしようということになりました。

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宍戸さん 他のお弁当に入れているからあげとは違っていて、スパイスが効いている衣を使用しています。衣や味自体は特に変えていませんが、肉の下処理を変えて、やわらかくしました。

津野田さん 漬け込みの時間を少し長くしたので、前より手間がかかっています。


現在のチキン弁当のからあげ。この味、時々無性に食べたくなるんですよー

 チキン弁当のからあげは、パッケージが茶色に。これはエコを考えるという方針で、クラフト地にしたためだそう。ピックも今までプラスチックでしたが、紙製に変わりました。これ、うまく使わないと、途中で折れてしまうときがあります……。

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