インタビュー

【うっかりおうちで死にかけた】同人誌を描いているときに脳梗塞→「明日は仕事だから」と病院に行こうとしなかった、というお話(1/2 ページ)

「今は『おかしいと思ったら、家族のためにも自分のためにも救急車を呼ぶべき』だと思っています」。

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 ねとらぼ読者から自宅で起こった危険な出来事をインタビューする企画「うっかりおうちで死にかけた」。今回は「同人誌の制作中に、脳梗塞になった」という方からお話を伺いました。

連載:うっかりおうちで死にかけた

我が家は落ち着く、心が安らぐ場所―― そんなイメージに反して、時には自宅でも命に関わるような危険な事故が起こることが。ただ日々過ごす場所だけあって、どんな危険があるのか気付きにくいもの。そこで「うっかり自宅で死にかけた体験談」を募集して、いろいろな人からいろいろ聞いてみよう、という企画です。

「明日は仕事があるから」と病院に行こうとせず……

 8年前のある夕方。自宅で同人誌を書いてる最中、動脈閉塞型の若年性脳梗塞で倒れました。

 「明日は仕事があるから病院には行けない」と思いながら、当時中学生の息子に「お母さんは気分が悪くて、ご飯が作れない。パパにお弁当を頼んで」とだけ伝え、息子にズルズル引っ張られながら布団に寝かせられました。その後、トイレに行こうとしても立ち上がれなくて、床を叩いて息子に知らせ、息子に抱えてもらいながら用を足しました。

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 0時過ぎ。深夜残業を終えて帰ってきた主人に「様子がおかしいから病院に行こう。病院を調べて」と言われ、仕方なく自分で電話を掛けたのですが、そのときにはもう呂律が回らなくなっていて、病院から「大至急来るように」と。

 「このまま朝まで持ち越していたら、右脳全体がダメージを受けていただろう」と言われるような状態で、起き上がれない日が1週間以上続きました。

―― 現在の状態はいかがですか?

 元気に専業主婦をしています。見た目ではあまり気付かれませんが、脳梗塞の影響で左半身に麻痺があって。キーボードを打つとき左手が思うように動かない、歩くと左足の指が丸まる、構音障害も出たので大声が出せないなどの障害が残っています。

脳梗塞の体験後、自分の中で変わったこと

―― その体験後、変わったことは?

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 脳梗塞になったときは仕事を1人で回している状態で夜も眠れず、ストレスがたまっていました。ですので、今はストレスがたまりそうになったら体を動かしたり、好きなものを食べたり。それから、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の問題が出てくる前は、友人と遊びに出掛けたりして気を紛らわせてました。

 また、当時はエナジードリンクで抗うつ剤を飲んでいたのですが、今はお薬は白湯で飲むようにしています。

 考え方の変化を言うと、脳梗塞になったとき、息子が「自分が救急車を呼ばなかったせいだ」という思い込みから罪悪感を抱いてしまって。今は「おかしいと思ったら、家族のためにも自分のためにも救急車を呼ぶべき」だと思っています。

 地方に住んでいて、救急車を呼ぶと後日近所の人に言われるのですが、家の前に救急車が来ても恥ずかしがらなくなりました。

―― 微妙な心理ですよね。周囲は「大丈夫かな?」「何が起こっているのかな?」と心配しているのかもしれませんが、その視線があることで動きにくくなる、というか

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 昨年、主人が倒れたときには、私が救急車を呼んで隣の家にも助けを求めました。近所の人から「何の病気?」と聞かれたので病名を伝えたら、「倒れて困ったときはうちに来なさい」と言ってもらえましたね。

―― 最後に。脳梗塞になったとき描いていた同人誌はその後、完成したのでしょうか?

 そのときに考えていたことが思い出せなくて、結局、別の本を出す形になりました。今でも未完成のままのデータが残っています。

 「良くて車いす、悪くて寝たきり」とまで言われていたのに、同人誌が描けるまでに回復したのは本当に感慨深いです。当時最先端の電気治療をしてくださった大学病院の先生には、今でも感謝の念に堪えません。

※本企画は取材対象者のエピソードをそのまま記事化したものであり、特定の製品や状況の危険性、安全性を立証するものではありません。

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