100日後に振り返る「100日後に死ぬワニ」 作者・きくちゆうきインタビュー(2/5 ページ)
大ヒットと大炎上を振り返る。
――死生観も盛り込みつつ作り上げた渾身の「100日」フォーマットですが、いろんな人が同じフォーマットで作品をSNSに投稿していました。それは見たりしました?
きくち やってるな~と思って見てました(笑)。「転生モノ」が流行ったのと同じ感じで、「100日後に」っていうカテゴリーになった感じはしましたね。
――なかなか100日完走できる人はいませんでしたけどね。
きくち 100日やりきってるのを見ると、すごいなと思います。
連載終了と大炎上
――最終回はお話も良かったですが、リツイートの数字などもすごいことになっていましたね。
中尾 最終回のTwitterアナリティクスの数字を見せてもらって衝撃的でした。
きくち 今見れますよ。
――エンゲージメント総数が2億を超えてる(笑)。
きくち 99日~100日あたりだけでフォロワーが60万人以上増えました。それで「フォロワーを買った」ってウワサも流れてしまって……。
――すごくお金がかかりそうですね。
きくち 連載が終わったタイミングでやっぱり一定数フォロワーが減って、今も減りまくりですけど、もし買ってたら、減らないから!
――炎上関連についてもう少し聞かせてください。やはりトゲのある意見には目が行ってしまうものですか。
きくち めちゃくちゃ行っちゃいますね。100のコメントの中に1つ誹謗中傷やトゲがあるものがあると、それに目が行ってしまいます。
――ベイシカの方にも誹謗中傷は届いていたのでしょうか。
中尾 「(プロデュースの)センスねえな!」みたいな意見はたくさん来ました。きくち先生のファンから「先生をちゃんと守ってあげてください」みたいなコメントもいただきまして、それはその通りだなと。
――今は落ち着いたとのことですが、終了直後はどんな心境でしたか。
きくち 終了後は大炎上して、Twitterも一時期全然できなくなってしまいました。ポジティブな意見をくれる人のためにもっといろんなことを発信したほうが良いとは思っても、悪い意見が怖くなって、何もできなくなって。でも作品を描いて、宣伝して……変なことしてないのになんで止まっちゃってんだ……? とも思ったり。
――書籍も35万部という数字を記録して、作品としては大ヒットなわけですよね。
きくち 時間がたって、単行本の数字が出始めたころでやっと「認められたのかな……」と、少しずつ発信できるようになりました。作品がとても大きく育ったけど、その分たたかれることが多かったから。トラウマになりました。満足できるものを描いたと思ったところで、あの炎上だったので。
――しかもワニの場合は根も葉もないところで「電通案件」とたたかれたり。
きくち 電通さんは絡んでなくて、悪くないのに悪く言われていて申し訳なくなりましたね。
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