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人類滅亡、自分以外“亡者”――終末世界であがくサバイバルホラー漫画『世界が滅んだその後で』(1/2 ページ)

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 人類が滅亡し、自分以外が亡者になってしまった――Twitterで人気を集める漫画家・洋介犬さんによるサバイバルホラー漫画『世界が滅んだその後で』(洋介犬)の単行本1巻がこのほど発売されました。


『世界が滅んだその後で』

 ある日突然、一瞬にして人類が滅んだ世界。そんな中で、主人公・ノゾミは記憶と右目と右手をなくした状態で目覚めます。人類は滅んだものの、世界には誰もいなくなったわけではなく、人々は亡者(ナキモノ)と呼ばれる怨霊と化していました。


人類は滅んだが、亡者として存在し続けた――

 怨霊と化しても会社に行き続ける者、猫になりたかった願望から猫化している者、親に放棄されたまま死に、飢え続けている子どもなど、亡者は生前の執着にとらわれ続けながら、生きていた頃のように暮らしています。生きていると分かれば殺されるため、ノゾミは亡者のふりをしながら、他の生者を探し、生き延びる道を模索していきます。

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 亡者の中でノゾミがどう生き延びていくのかというハラハラする展開に加え、人類を滅ぼした“神”は何者なのか、そもそもノゾミは人間なのか、尽きない謎にも引き込まれます。

 そして物語の深みを増しているのが、ノゾミが出会う亡者たち。意思のないゾンビのような存在ではなく、生前の執着や欲望に囚われ続ける彼らからはさまざまなドラマが見えます。彼らの執着は負の思いばかりではなく、「子どもを事故から助けられなかった母親」と「事故で母親に介護される身になった子ども」が亡者になったからこそ後悔を克服して幸せにそうに過ごす場面や、「学校でいじめられていた子ども」と「病気で学校に行けなかった子ども」が出会って前へと進む場面は印象的。死んだからこそ表に現れる人の本質が見えるようで深く刺さります。


生前子どもを助けられなかった母親と、母親への負担をなくしたいと思っていた子ども

学校でいじめられていた子どもと、生前学校に行けず、学校へ行きたいと思っている子どもが出会い……

 『世界が滅んだその後で』は新潮社の漫画サイト「くらげバンチ」で連載中。Twitterでは単行本発売を受けて、感想をツイートすると抽選で作者のサイン入りアイテムがもらえるキャンペーンも実施しています。

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