「子どものため」って何だろう? 手作りの食事にこだわりすぎてうつ病になったお母さんが、「ポテサラ事件」に思うこと(1/2 ページ)
「ちゃんとした母親像」に追い詰められた作者が、漫画で当時を振り返ります。
幼児連れの女性がスーパーでポテトサラダを買おうとしていたら、見知らぬ年配の男性が「母親ならポテトサラダぐらい作ったらどうだ」と言って去っていった……。そんなツイートが、2020年7月に話題になりました。3人のお子さんを育てる龍たまこさんが、この「ポテトサラダ事件」について考えたことを漫画にしています。
龍さんは基本的にポテトサラダを作ることはなく、「手間かかるし買った方が美味しい!」と考えています。ポテトサラダに限らず、揚げ物のように幼児のいる家庭では危険な作業が伴う料理については、お惣菜を頼っているそうです。
動き回る子どもの面倒を見ながら揚げ物をしたり、複雑な工程の料理を作るのは、とてもハードルの高いこと。効率の面から考えても、お惣菜はとても有用であると言えます。
今でこそお惣菜を積極的に利用している龍さんですが、かつての龍さんはまったく違う考え方を持っていました。第一子である娘さん・すみれちゃんが生まれたころ、龍さんは手作りの食事にこだわり、お惣菜やコンビニの食べ物の購入を徹底して避けていたといいます。「お母さん」なら、多少つらくても家族のために毎日温かい食事を手作りするのが当たり前……。当時の龍さんは、本気で思っていたのでした。
しかしその考えを本気で信じて実行していた龍さんは、育児ノイローゼになっていきました。それでも「母親だから」と耐えていたところ、ある日突然限界がやってきて、「ブレーカーが落ちるように」うつ病を発症してしまったのです。
うつ病の影響で龍さんは料理のやり方が突然わからなくなってしまい、キッチンで立ち尽くしたまま「どうしようどうしよう わたし母親なのに」と混乱してしまうこともあったといいます。龍さんは自らを責め、絶望的な気持ちに陥りました。「もし、この状態の時にあのポテサラみたいなこと言われてたら… どんなにショックだったか想像もできない」。龍さんは当時をそのように振り返ります。
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