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ニコラップの先駆者“らっぷびと”はなぜネットにラップを投稿したのか 1曲の投稿きっかけに人生が変わった瞬間ニコスターインタビュー(3/3 ページ)

らっぷびと誕生の陰には伝説のサイト「歌詞→HIPHOP系」の存在がありました。

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――ニコニコ動画でのブレイクをきっかけにメジャーデビューも果たしましたが、デビューまでの道のりはどういう感じだったのでしょうか。

らっぷびと「人として軸がぶれているらっぷ」のころまではアルバイトをしながら実家で暮らしていたのですが、ちょうどそのころ、後に僕のマネージャーさんになってくれた方からご連絡をいただいて、事務所に所属することになりました。いろいろな契約形態を選べたのですが、僕はアルバイトを辞めて音楽活動に専念したいという思いだったので、お給料制を選ばせてもらい、インディーズアルバム「RAP BEAT」が発売されました。

 その後はEMIミュージック・ジャパンからメジャーデビューシングルという形で「All Day,All Night」を発売することもできました。

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――「RAP BEAT」、今も聴かせていただいています……! 現在はどのような形で活動されていますか。

らっぷびとありがとうございます! 以前に所属していた事務所は離れて、ORIGAMI Entertainmentというレーベルを立ち上げました。ORIGAMIはネットラップを通じて出会った人たちと設立したインディペンデントレーベルで、最近はイベントの制作や、所属アーティストのCD制作、マネジメントが主ですが、個人としてはUNEEK ARTS(ユニークアーツ)」というユニットで、YouTubeに楽曲を投稿しています

――コロナ禍の中でのアーティスト活動についてはどう感じていますか。

らっぷびと自分が主催しているライブに関しては、オンラインでできるものは配信での対応が中心になっていますが、やはり良い部分と限界を感じる部分がありましたね。

 お客さんはどこに居ても観られたり、ライブ当日ではなくてもアーカイブ視聴できたりするというメリットもあるのですが、やはり別の楽しみ方だなとも感じるので、これからもいろいろなやり方を考えていきたいと思っています。

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らっぷびとさんはDJとしても活躍

――最後に、らっぷびとさんにとって、ニコニコ動画はどんな場所ですか。

らっぷびと何でも受け入れてくれる場所です。僕がもともとニコニコ動画を知ったのはいわゆる無断転載がきっかけでしたが、そのカオス感が面白かったですし、普通だったら日の目を見ないようなクリエイターがたくさん発見されました。

 今はYouTubeが動画投稿の主流になってきていますが、ニコニコ動画にはニコニコなりの面白さがありますし、僕にとっては育った場所でもあるので、今後も動画の投稿を続けていきたいと思っています。


取材後記

 筆者がらっぷびとさんと初めてコンタクトを取ったのは、2007年のこと。らっぷびとさんが投稿していた楽曲を筆者が「歌ってみた」ことがきっかけで、当時学生だった私にも感想を送ってくださるなど、非常にていねいな対応をしてくださるのが印象的でした。

 そんならっぷびとさんがインディーズアルバム「RAP BEAT」をリリースしてから約12年後、このような形で再びご連絡をとることとなりましたが、ていねいな対応は変わらず、優しい笑顔からも人柄の良さを感じることができました。最新の楽曲を含めてまたらっぷびとさんの楽曲を聞き込みたいと思いました。

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らっぷびとさんの「RAP BEAT」(筆者私物)

(Kikka)

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