「電車は運休、特急は運転」ってどういうこと!? とある駅に登場した案内板が話題に 鉄オタ大好き「電車と汽車」の違いとは
電車は運休。でも特急は運転。いったいどっち?
「電車は運休ですが、特急は運転します」ってどういうことよ? とある駅に掲出されたトラブルのお知らせがTwitterで話題になっていました。
写真をTwitterに投稿したのは、はる(@haru9629)さん。案内板は香川県と愛媛県をまたぐJR四国予讃線(よさんせん)の運行状況を伝えるもので、「架線トラブルのため多度津~高松の電車は運休です」「特急南風号岡山行のみ運転しています」と書かれています。運休なのに運転しているとは……?
パッと見ただけでは、馴染みがない人には「どういうこと?」となりそうな案内ですが、これにはある秘密がありました。
はるさんが写真投稿時に添えた「電車と汽車の違いが生きてくる」がヒント。どういうことなのでしょうか。
電車と気動車、どう違う?
世間では鉄道をまとめて「電車」と呼ぶことが多いですが、正しくはパンタグラフなどを通じ、電気で走る(電化された)鉄道のことを電車と呼びます。
それに対して、ディーゼルエンジンなどで動く(電化していない)車両は「気動車」と呼ばれます。電車とは区別されます。
そのためネット上では、「電車」として投稿された動画や画像に対し、鉄道ファンの一部が「それは電車ではなく、気動車です」などと指摘するやりとりもたびたび見られます。
最近では、エンジンで発電してモーターで走るハイブリッド式の車両も登場しており、これを電車とするか気動車とするかは鉄道会社によって扱いが異なり、また別の悩ましい問題となっています。
今回注目された予讃線は、電車と気動車の両方が走っています。はるさんによると、写真を撮影したのは予讃線の詫間駅(香川県三豊市)。JR四国に初導入された「みどりの券売機プラス」を見るために訪れていたそうです。
その時、予讃線の高松近郊で架線トラブルが発生し、高松都市圏80万人の足である列車のほとんど止まってしまい、電車は運行不可に。しかし、気動車である特急「南風」は、電化区間であっても電気が必要ない(架線から電力を得る必要がない)ので、架線トラブルを無視して運行できるため、通常通り運行が続けられました。
そのため、「電車は運休」「特急(気動車)は運行」という状況になっていたわけですね。
ちなみに、四国では気動車を含めた非電化の車両が現在も活躍しており、これらを「汽車」と呼ぶことが多いです。これも本来の意味とは違うものですが、方言のようなものと考えることが妥当でしょう。
四国に行ったときは、四国らしく電車と気動車の違いを意識しながら列車の旅を楽しむのも面白そうですね。
(大泉勝彦)
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