日本で唯一“電車が走っていない”県である徳島県の学生たちが、自作した電車を走らせようと「阿波電鉄プロジェクト」を立ち上げ、クラウドファンディング「おつくる」で制作資金の援助を求めています。
世間一般では鉄道のことをひとまとめに「電車」と呼ぶことが多いですが、正しくは電気の力で走る鉄道のことを電車と呼びます。徳島県にはJR四国(徳島線)と阿佐海岸鉄道が鉄道事業を展開していますが、どちらもエンジンを搭載した「気動車」が使われています。
過去には電車を走らせようという動きもあったようですが、予定は未定となり、いまだ47都道府県で唯一、電車が走ったことがない。(沖縄も電車がない県として知られていますが、かつて路面電車があり、現在はモノレールが走っています)
そんな徳島で「徳島初の電車を自分たちの手で!」と意気込むのが徳島大学の学生プロジェクト「阿波電鉄プロジェクト」のメンバーたち。徳島大学理工学科に通う萩原 孝紀さんら14名のメンバーたちによって進められており、2016年に立ち上げられて今年で3年目を迎えました。
彼らが目指すのは6人乗りの小型電車。鉄道会社による大規模な設備投資ができない状況から、バッテリーを搭載した自己完結型の実用規格に沿った電車1輌を作る方針で進められています。
昨年、彼らは長野県にある古い鉄道車輌の部品を保管していた施設と交渉し、実用可能な鉄道用の車輪などを譲り受けました。部品は錆だらけでしたが、彼らはそれを再利用し、車輌の土台となる台車を作り上げ、テスト走行も成功。
いよいよ本格的な車輌製作に取り掛かろうとしている節目となる今年度ですが、車輌製作に必要な材料を用意するには大学から与えられている予算ではどうあがいても足りないという状況に。そこでクラウドファンディングによる支援募集に踏み切ったそうです。
クラウドファンディングサイト「おつくる」で40万円を目標額に6月22日から支援募集をスタートし、すでに目標額の2倍以上となる86万円もの支援が集まっています。
募集は7月22日まで行われ、集まった資金は車輌製作の費用に充てられます。彼らは今夏にブレーキシステム、11月からは車体製作、3月には内装を作り上げ、2018年度内の完成を目指すという目標を掲げています。
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