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ジェットコースターの「大声禁止」は難しい? ジェットコースターマニアに聞く、コロナ禍で感じたこと(2/2 ページ)

世界の400のジェットコースターを制覇したマニアにコロナ禍に関する「変化」を聞きました。

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 「いつ乗れなくなるかわからない、乗れるうちに乗りたいという気持ちが強くなり、ジェットコースタ―に乗れるありがたさをかみしめて大切に乗るようになりました。乗る頻度が多くなった要因も、乗れるうちに乗りたいという気持ちが関係しています」

 また遊園地を訪れて感じた変化として、「海外のお客さんがいなくなった」「ソーシャルディスタンスのために待ち列が長くなり、混雑しているように見える」「ソーシャルディスタンスの難しいお化け屋敷や室内アトラクションの運休が目立つ」といったことを挙げました。

 「個人的にジェットコースターの写真をよく撮影しているのですが、みんなマスクを着用して間引きして乗車しているので、乗っている人の表情が分からない座席がスカスカの異質な雰囲気の写真になってしまうのが残念です……」(ジェットコースター男さん)

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営業再開初日(7月1日)、座席をあけて運行していたコースター(東京ディズニーシー フランダーのフライングフィッシュコースター
人気のない、再開初日の東京ディズニーシー(現在はもっと人が増えているとのこと)
ちなみに東京ディズニーリゾート再開初日、ジェットコースター男さんが最初に乗ったのはジェットコースター「レイジングスピリッツ」。一番乗りだったとのこと

 ちなみに感染対策は各パークによって異なり、例えばジェットコースターを一回走行する度に消毒するパークもあれば、一日に数回の消毒タイムを設けて徹底的に消毒するパークもあるのだとか。「入園前の検温、手指消毒の徹底、各乗り物では一回一回手すりや座席を消毒するなどコロナ対策を徹底して行っている。運営側のパークや現場のスタッフさんの苦労が大変だなと思うことが多々あります」

ジェットコースターを消毒する様子(東京ディズニーシー レイジングスピリッツ

絶叫しない乗り方はできるのか

 感染拡大予防ガイドラインではジェットコースター乗車の際は「大声での発声は控えるよう促す」とされていますが、絶叫しない乗り方は難しいのか聞いてみました。

 「ジェットコースターや絶叫マシンは、本来は絶叫して楽しむ乗り物です。怖くなくても楽しくなるとアドレナリンが出て叫びたくなります。無言で乗っても楽しくないですし、ストレスを発散できません。ですので、絶叫しない乗り方は非常に難しいです……」(ジェットコースター男さん)

 以前には富士急ハイランドの社長(と親会社の富士急行の社長)が“新しい絶叫スタイル”の手本として、マスク着用で終始無言でジェットコースターに乗る映像を公開しています。これによりいかに平常を装って乗れるか挑戦する「真顔チャレンジ」が誕生。「みんなで真顔を競い合うことは、ガイドラインに沿った楽しみ方だと思います」とジェットコースター男さんは評価しています。

 ジェットコースター男さんに、コロナ禍の中でジェットコースターに乗る人に伝えたいメッセージをうかがいました。

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 「日本のジェットコースター界は衰退しており、コロナの影響もあり今後も厳しい状況が続くことが予想されます。そんな中でも頑張って運営してくれるパークに感謝して、一人でも多くの方にジェットコースターに乗ってほしいです。運営側の努力を無駄にしないためにも、乗る側も並ぶ際はソーシャルディスタンスを守り、乗車中もマスクを外さない、できるだけ大声での絶叫を控えるなどルールを守って楽しみましょう! ジェットコースター男の使命として、日本のジェットコースターの魅力を全世界へ広めていきたいと思います」

マニアが語るジェットコースターの魅力

 編集部は、ジェットコースター男さんジェットコースターの魅力や印象に残っているジェットコースターもうかがいました。

 「ジェットコースターの魅力は、一言で『かっこいい!』です。乗るのはもちろん、巨大な建造物として見た目もかっこよくて好きです。うねうねしたレールを滑走しているジェットコースターを見るだけで興奮します(笑)。それぞれのジェットコースターに個性があり、体感や乗り心地も全然違うのでそこも魅力の一つです」

個性的なジェットコースターの例としてジェットコースター男さんが挙げた「白鯨」(ナガシマスパーランド)。白鯨がモチーフ
そのほか東京ディズニーランドの「ビッグサンダーマウンテン」(写真。西部時代の暴走列車がモチーフ)や「スペースマウンテン」(宇宙を猛スピードで駆け巡るスペースシャトルがモチーフ)などが個性的なジェットコースターとして挙げられました

ジェットコースターマニアに聞いた「一番怖いジェットコースター」

 ジェットコースター男さんが「一番怖かったジェットコースター」として挙げるのは、台湾にある「グラビティ・マックス」(探索楽園)。世界でも珍しいシーソー型のジェットコースターで、最初はゆっくりと巻き上げて頂上まで登ると途中でレールが切れているという作り。「この先どうなるのかドキドキしていると、頂上でシーソーのようにレールが下に傾き、真下に向いた状態で停止、少し焦らされた後にロックが外れて垂直に落下します。真下に向いた状態でいつ落ちるか分からない恐怖、今まで色んなジェットコースターに乗ってきましたが一番怖かったです」

グラビティ・マックス

 またジェットコースター男さんの「印象に残っているコースター」は「チーターハント」「フォーミュラーロッサ」の2つ。

 チーターハントは米フロリダ州「ブッシュガーデン」にあり、名前の通りチーターをモチーフにしたジェットコースターです。「途中に何度も急加速するポイントがありチーターになって獲物を追いかけるような感覚が味わえます。実際にコース途中に本物のチーターがいる(動物園)のも面白いです」

チーターハント(ブッシュガーデン公式チャンネル)

 フォーミュラーロッサはアブダビにあるフェラーリのテーマパーク「フェラーリワールド」にある世界最速のジェットコ―スター。フェラーリのF1マシンをモデルにしており、スタートして約4秒で世界最速の時速240キロに到達。「生身で体験する時速240キロは異次元の世界。速度が速すぎて空中のほこりや虫などが目に入ると危ないので、安全のためにスカイダイビングで使用するゴーグルを着用して乗車するのが印象的でした」

フォーミュラーロッサ

画像提供:ジェットコースター男(@JetcoasterOtoko)さん



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