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隣人夫婦の激しい色恋沙汰にイラつきつつも優越感を抱く相談者「アナタもしてみたいんです、実は」 「テレフォン人生相談」先週のハイライト(2/2 ページ)

他人の恋愛話を心のどこかで楽しんでいる相談者。

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アナタもしてみたいんです、実は

 この日の回答者は幼児教育研究の大原敬子。

 相談者の人生を「今が一番黄金期です」とした上で、相談者の心理を(なぜか)やじろべえにたとえて分析する。

 「平凡だけれども、幸せだけれども、『ああ、うちの夫でよかったわ』という黄金期を作ってくれたのが、まず元妻。左側のやじろべえとしますね」

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 元夫に出ていかれた元妻の相談に乗り「この人はかわいそうだ」と思うことで、「まだウチの方がマシかな?」という心地よさを感じていたのだ。

 「もうひとつは反対側のやじろべえです。500メートル先の現妻」

 他人の夫を奪い取るなんて、自分にはマネのできないことをした現妻にほんのりと憧れながらも、

 「『でもまあいいかな、私は私でこれでいいかしら』『忙しいわ、私』ってことでなったのが、アナタの人生の黄金期なんです」

 平凡な家庭生活を送っている相談者は、激しい色恋沙汰を繰り広げる元妻と現妻、さらに元夫に興味を抱きつつも、優越感を抱いていたのだ。

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 「男と女の世界を70代で繰り広げたってことですね。まさに青春時代の恋愛の……最後のあがきの恋愛をアナタがまざまざと見ながら、バランスを取れている自分が好きだったんです」

 ところが、元夫が元妻の家をたびたび訪れるようになってからそのバランスが崩れる。元妻も、もう相談者に相談をしてくれなくなった。これがイライラの原因だ。

 「『あれだけのアドバイスしてあげたのに何、この人たち』って。だけど原点は、アナタはこのふたりの男女間の恋愛のストーリーを気持ちよく聞いていて、そこに自分のささやかな幸せを感じていて、今の夫との関係を保ってるんだと思うんですよ」

 「今はそういう関係を見て、自分は子どもふたり育てて、子どももふたり結婚して、幸せにしているんですよね。私にすれば何も言うことなくて。旦那もまだ78ですけど、まだ仕事をして帰ってきてくれるから……と思うようになりました」

 「男と女のね、激しい情熱だったらアナタもしてみたいんです、実は。でもそれを取って、今の幸せ捨てられますか?」

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 「捨てられないです」

 大原は、元妻・現妻どちらも元夫の心をつかみきれておらず、満たされるような幸せは手に入れていないと指摘。

 「だから1週間に一度来てもらっている元妻には『よかったわね、きれいよ』って褒めてあげる。もうひとりの500メートルの現妻には『でもね、あれだけの情熱で取ったんだから、女としては羨ましいわ』って言ってあげるんです」

 ふたりには幸せな言葉を与えて、相談者自身は静かな黄金期を楽しむべきだとアドバイスした。

 「決して、もう二度とこの中に介在してはいけないってことです」

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 「ああ、分かりました。大変気持ちが落ち着きました。自分の幸せを大事にします」

 加藤諦三が引き取る。

 受け身的願望の強い人は他人を放っておくことができず、妬みと嫉妬で攻撃的になる。自発的積極性がある人は他人を放っておけるという。

 「他人のことを放っておけるか放っておけないかっていうのは、ものすごく重要なその人の生産性をはかる目安なんです」「アナタの積極的な生きる姿勢。それが試された事件ですから、しっかりと今までの生産的な生き方を維持して。まだまだ72歳。素晴らしい老後が待っていると思いますよ」

 加藤諦三、大原敬子ともに色々なことを言っていたが、要は「他人のことは放っておけ」の一言で終わってしまう今回の相談。

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 平凡な生活を壊す勇気はない相談者にとって、他人の激しい恋愛話を聞いてああだこうだとアドバイスしてあげることは最高の娯楽なのだろう。だからといって、他人が自分の思い通り動かなくなったことにイライラしても仕方がない。

 テレビの不倫ドラマでも見て、ああだこうだ文句を言っているくらいが平和なんじゃないだろうか。


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