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アプリ「一人用クトゥルフ神話TRPG」が“SAN値回復するタイプの狂気” 「名状し難い顔(=いらすとや)」「ダイス判定で転売ヤーが爆死」

やべー、やめどきがわからない。

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 クトゥルフ神話をベースにした世界観の「クトゥルフと夢の階段TRPG(DreamStairs)」(AndroidiOS)が、Twitterで「めちゃくちゃ面白いんだけど随所で腹立つ」として話題です。開発したのは「群馬ファンタジーTRPG」(関連記事)と同じRandomWalker

3月にリリースされたゲームですが、11月に入り再び話題に

ふいに現れる異形の者

 「クトゥルフと夢の階段TRPG」は、悪夢のような混沌とした世界で、ひたすら「階段」を下りることで深淵へと向かっていくアドベンチャーゲームです。異形の者が登場するダークファンタジーを踏襲した世界観ではありますが、「転売ヤー」や「いらすとや」らしき者たちが登場するほか、テキストメッセージのテンションが突然ぶちアゲになるなど、混沌の度合いがえらいことになっています。来るーーッ!


ひたすら壁を殴ってもよい(死ぬけど)

 ゲームは、至ってシンプルです。プレイヤーは、階段を下りる→そのフロアで戦闘またはイベントが起きる→また階段を下りる、という流れを繰り返します。

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下りていくだけなのに面白いーーッ

 それじゃ飽きるだろうと思いきや、各フロアで起きる戦闘やイベントは基本的にランダム。「不思議のダンジョン」のようなローグライクを一部踏襲したシステム(ローグライト)で、ゲームオーバーになると最初からやり直しになりますが、毎回、異なる攻略方法が求められるため、新鮮さが損なわれることはありません。


戦闘では知力・体力・時の運が求められる

 戦闘はカードバトル形式です。デッキを組むタイプのソーシャルゲームを遊んだことがあれば、直感的に操作できるでしょう。ゲームに詳しい方なら「Slay the Spire」ライクといった方が分かりやすいかもしれません。

 HPがなくなるとゲームオーバー。正気度を示すおなじみSAN値がなくなっても、実質的にゲームオーバーとなります。しかし、そのたびにステータスを強化できるほか、リスタート直後に前回まで使用していたカードを1枚、思い出す(持ち越す)ことができます。


あ、この街で飲んだことある!

 こうしたシステムもさることながら、このゲームが人々を魅了して止まないのは、その世界観によるところが大きいようです。


ウダウダと持論を述べる転売ヤー

 えたいの知れない生き物が跋扈(ばっこ)し、剣や魔法で怪物と戦う世界は、クトゥルフ神話+中世ファンタジーの融合といった趣。ただ、よく見ると背景が新宿の飲み屋街のようになっていたり、前述のように転売ヤーやいらすとや的キャラクターが登場したりと、なかなかにカオスです。「随所で腹が立つ」(だけど、やめられない)というのは、まさにこの点を指してのことでしょう。転売ヤーは爆発させられるしね。

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爆発しろ

 しかしながら、全体のトーンが統一されているため、(逆説的な表現になってしまいますが)その「混沌」に統一感があり、興ざめしてしまうことがありません。ゲーム本編中に挟まれる動画広告さえ、その混沌の一種かと思えてくるほどです。この辺りの見せ方、実に巧みです。


正気(SAN値)を失うと見える風景

 ダンジョンをひたすら潜っていくというゲームシステムから、往年の名作「ウィザードリィ」を想起する人も多いでしょうが、プレイ中に筆者がなぜか思い出したのは、筒井康隆先生の小説「驚愕の曠野」でした。


地獄の下には地獄がある……

 「地獄に堕ちた者が、さらに地獄のなかの地獄に堕ちていく」という、いわゆる「無間地獄」を描いているとされる小説ですが、「クトゥルフと夢の階段TRPG」もまた、悪夢を脱するために悪夢の深淵へと向かわねばなりません。それは光を求めるために、光が指すはずのない場所を目指すという「絶望」しか感じられない、まさに「無間地獄」の様相を呈しているからでしょう。

 この感じ、誰かに伝われーーッ!

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