着物の帯に「路線図」や「ミジンコ」　場面を選び過ぎな柄を販売する呉服屋さんが話題に、話を聞いてみた（2/2 ページ）

――　変わったデザインの帯を始めたきっかけはどのようなものだったのでしょうか。

ゴフクヤサンドットコム：　デジタル捺染というプリント技法で型紙なしで1点からオリジナルデザインがプリントできる仕組みを構築しました。在庫を持たず、シミュレートだけで着物や帯が制作できるので、売れなくてもいろいろなものが作れるようになったことがきっかけです。

　近年、世界中の美術館や博物館が蔵書や展示品をスキャンした高解像データをパブリックドメインとして公開していることに気付いてそれらのデータを利用させてもらってものづくりを始めるようになりました。

――　デザインのアイデアはどのように出していますか。

ゴフクヤサンドットコム：　 SNSをフォローいただいてるお客さまのリクエストから制作するものがほとんどです。私（店主）自身はデザイナーではなく技術職的な立ち位置なので、自分考えて作ることはあまりありません。

――　変わり種帯や着物の中で一番気に入っているデザインはどれでしょうか。

ゴフクヤサンドットコム：工場夜景シリーズです。大阪の工場地帯で私が撮った写真をデータにしました。

――　売れないと思っていたら売れたデザインはありましたか。

ゴフクヤサンドットコム：歌川国芳の「相馬の古内裏」柄着物、振袖です。通常の着物だけではなく、成人式の振袖としても何人かのお客さまにお買い求めいただきました。

――　シミュレートシステムでデザインを公開されているとのことですが、一部奇抜なデザインのもので「在庫あり」となっているものがありますね……？

ゴフクヤサンドットコム：即納品コーナーの商品（700アイテム以上あります）は制作して在庫があります。

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　「痛車」や個性的なネイルアートなど、さまざまな分野で自分だけの一点物が好まれるようになっている現代。技術の進歩で着物も気軽に自分だけのデザインが作れるようになったことは、素晴らしいですね。