和歌山駅「めはり寿司」(600円)~紀州の醤油文化も一役買う、ご当地名物!
毎日1品、全国各地の名物駅弁を紹介! きょうは和歌山駅「めはり寿司」(600円)です。
【ライター望月の駅弁膝栗毛】(初出:2020年12月1日)
紀勢本線では、主に和歌山~御坊間の普通列車として活躍する225系電車。
225系は大阪市内~関西空港・和歌山間で運行されている「関空快速・紀州路快速」と共通で使われています。
車内は空港利用者の大きな荷物に配慮し、通路を広くとった2人掛け-1人掛けの座席配置で、背もたれの向きを変え、進行方向に向かって座ることができる座席が並びます。
和歌山から40分あまり、紀勢本線の普通列車は湯浅に到着します。
湯浅は日本の食を代表する調味料、「醤油」発祥の地。
鎌倉時代、宋から金山寺味噌のつくり方が伝わり、程なく醤油づくりが始まったのだそう。
江戸時代には、1000軒の湯浅に92軒の醤油屋が軒を連ねていたと言います。
この紀州から銚子に醤油づくりが伝わり、いまや世界の「しょうゆ」となったわけです。(参考)湯浅町ホームページほか
そんな醤油の味わいがいいアクセントとなっているのが、和歌山駅弁「和歌山水了軒」の「めはり寿司」(600円)です。
めはり寿司は、塩漬けした高菜の葉でご飯をくるんでいただく、熊野地方の郷土料理。
口を大きく開けて食べるときに、目を見張ることからその名がついたと云われています。
駅弁でめはり寿司をいただくことができるのは、全国でも紀勢本線沿線くらいですね。(参考)和歌山県公式観光サイト
【おしながき】
- めはり寿司(5個) 高菜 醤油ごはん
- ガリ
「めはり寿司」は、地域や家庭によって、さまざまな形で継承されているのが特徴です。
和歌山水了軒の「めはり寿司」は、高菜で包まれたなかのご飯が「醤油ごはん」。
紀州発祥の醤油が、伝統の郷土料理にも一役買っている感じがしますね。
「本来はもう少し大きいのが一般的だが、駅弁として提供するめはり寿司は、食べやすいサイズとしている」と和歌山水了軒の八木社長は話します。
和歌山市郊外の田園風景のなかを、西日を浴びて普通列車が駆け抜けて行きます。
甲子園でもおなじみの野球強豪校の最寄り駅で生徒専用改札口もある、近くの黒江駅からは、お隣・海南市へと入っていきます。
みかん、醤油、南高梅、備長炭……日本の豊かな食卓には欠かせないものが目白押しの紀勢本線の旅です。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/
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