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「ヒープリは不遇だったと言わせるつもりはない」と語る悠木碧の思いに、僕たちができることサラリーマン、プリキュアを語る(2/2 ページ)

あらためて「ヒーリングっど プリキュア」は製作者に愛されている作品だと思いました。

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悠木碧さんのエッセイ「貴方はプリキュア」

 そんな中、キュアグレース役の声優、悠木碧さんのエッセイ「貴方はプリキュア」が公開されます。

 2020年10月発売の雑誌『クイック・ジャパン別冊 おそ松さん』内での公開だったのですが、この雑誌、全体の3分の2が「おそ松さん」の内容だったりと、プリキュアファンでもなかなかリーチしづらい媒体での公開でした。

 しかしこの悠木さんのエッセイ、プリキュアへの思いがあまりにも強く、あまりにもカッコよかったので少し紹介します。そこで描かれていたものは、悠木碧というプリキュアそのものだったのです。

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悠木碧さんのエッセイが載っているクイックジャパン別冊。キュアミルキー役の小原好美さんのミニ写真集もあります(画像はAmazon.co.jpから)

「ヒープリを不遇な作品と言わせない」

 悠木さんのエッセイ「貴方はプリキュア」、とにかくプリキュア愛がすごいのです。前半は悠木さんのプリキュアに対する熱い思いがつづられ、「キラキラ☆プリキュアアラモード」にハマって学んだ声優としての矜持(きょうじ)やプリキュアが「夢と希望」を届けている作品であること、後半にコロナ禍に巻き込まれてしまったプリキュアの事情が語られます。


悠木碧さんのエッセイ「貴方はプリキュア」

 「地球をお手当するヒーリングっどプリキュアが万が一にも新型コロナを広めるわけにはいかない」と製作現場での数々のコロナ対策が行われたこと、しかしコロナ禍は拡大し、次第に制作が遅れアフレコは休止となり、イベントは中止、映画も延期となったことなどが冷静な筆致でつづられます。それでも子どもたちに喜んでもらおうと、動画の配信や過去の映画の配信を行ったことなど製作者側の抵抗も語られます。

 そして、ここからの悠木さんの言葉がとにかく力強いのです。少し引用します。

これを、「プリキュアすら勝てなかった」という人もいる。けれど、プリキュアはまだ負けてない。私達は地球をお手当てしながら、みんなに希望を届ける為に、まだ闘っている。今私たちは現実世界で地球をお手当てしているのだ
(太田出版『クイック・ジャパン別冊 おそ松さん』(2020/10/23)、悠木碧エッセイ「貴方はプリキュア」P112~113より)

 かっこいいですよね。

 「プリキュアですら勝てなかったという人もいるが、プリキュアは負けていないし、まだ戦っている」という製作者の熱い思いが語られます。

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 さらに悠木さんは続けます。

ヒープリは不遇だったと言わせるつもりはない。私達は、本当の本当に、世の中に希望が必要な時にプリキュアを任せてもらえたのだ。のどかならこんな時、きっと諦めないから、私も諦めない。みんなで闘えば絶対に勝てると、ファンとしても作り手としても教えてもらってきたその真意を示す時が来たのである。どうか明日に希望を持って欲しい。
(太田出版『クイック・ジャパン別冊 おそ松さん』(2020/10/23)、悠木碧エッセイ「貴方はプリキュア」P112~113より)

 「ヒープリを不遇だったと言わせるつもりはない」。

 なんという力強い言葉なのでしょう。これ「偉人の名言集」に入りませんかね。こんな心強い言葉を紡ぐ人たちの手によって「ヒーリングっど プリキュア」は作られているのです。子どもたちに夢と希望を届けるため、プリキュアの製作現場は決して諦めていない、今も戦っているのです。


「絶対にあきらめない」のがプリキュア

 その後、エッセイは手洗い、うがいなどのコロナ対策を行っている人や宅配便の人にお礼を言えた人など、「新型コロナと戦っている全ての人がプリキュア」であるとし、最後にこう締めます。

プリキュアは絶対に負けない。まだ闘える。もし希望が足りなくなったら、是非日曜日の朝に少し早起きをして、プリキュアを見て欲しい。明るくて優しくて、けれどしなやかに強い少女達が守る世界が、希望をくれるはず。私たちがありったけの希望を込めて作っているから、きっと!
(太田出版『クイック・ジャパン別冊 おそ松さん』(2020/10/23)、悠木碧エッセイ「貴方はプリキュア」P112~113より)

 悠木さんは「新型コロナとの戦いに疲れてしまったら、ぜひ早起きしてプリキュアを見て欲しい。製作者全員の“ありったけの希望”が詰まっているから」と訴えかけます。

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 「ヒーリングっどプリキュア」は決して不遇な作品ではないのです。

 「地球をお手当するプリキュア」にしか描くことが出来ない「夢と希望」を子どもたちに伝えているのです。


プリキュアは今も戦っているのです

今度は僕たちがプリキュアを助ける番

 しかし、このまま新型コロナが収束しなければ「ヒーリングっど プリキュアは新型コロナに負けてしまった」と思う人がまた出てくるかもしれません。それは避けなければいけません。プリキュアは決して負けていないし、今も戦っているのです。

 この先「ヒーリングっど プリキュアは不遇な作品だった」と言わせないためにも、コロナ禍を収束させる必要があります。僕たちにできることは「手洗い、うがい、密を避ける」といった基本を行い、最前線で戦う医療現場の人に協力し、そして「自身の夢と希望を持ち続けること」だけなのかもしれません。しかしそれらを徹底して行うことこそが、プリキュアを助けることにつながっていくのです。

 プリキュアに助けられるだけの世界ではなく、今こそ我々の力を見せるときが来たのです。

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 僕たちは、プリキュアに何度も地球を救ってもらってきました。

 今度は、僕たちがプリキュアを助ける番なのです。

「ヒーリングっど プリキュア」
毎週日曜8時30分より
ABC・テレビ朝日系列にて放送中
(C)ABC-A・東映アニメーション

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