これは福音である 「プリキュア男子」という多様性についての考察:サラリーマン、プリキュアを語る(1/4 ページ)
「プリキュア論」をどうしても書きたかったので、いつもと文の雰囲気が違います!
これは福音である。
「キラキラ☆プリキュアアラモード」第39話・第40話で見せたリオくんの復活劇は、プリキュアというアニメーションの「多様性」を最先端へと導くものでした。
(「ジュリオ」なのか「ピカリオ」なのか「リオ」なのか呼び方に迷うところですが、ここではキュアホイップが劇中で呼んだ「リオくん」で統一します)。
第40話「レッツ・ラ・おきがえ!スイーツキャッスルできあがり!」では、第39話でパワーアップして戻ってきたリオくんの提案を基に、みんなでスイーツを作り、ピンチになりながらも今までの仲間たちの力を得てプリキュアがアラモードスタイルに覚醒、強敵グレイブをしりぞけました。
まさに終盤を盛り上げるにふさわしい密度の濃い回でしたよね。
プリキュアの新スタイル、新決め技についても言いたいことはたくさんあるのですが、それは次回以降に譲るとして、今回は「リオくん」がもたらした「プリキュア男子」の可能性、そして「キラキラ☆プリキュアアラモード」が描く「新しい多様性」について見ていきたいと思います。
kasumi プロフィール
プリキュア好きの会社員。2児の父。視聴率などさまざまなデータからプリキュアを考察する「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日に公開した記事「娘が、プリキュアに追いついた日」は、プリキュアを通じた父娘のやりとりが多くの人の感動を呼び、多数のネットメディアに取り上げられた。
- これまでのプリキュア連載一覧
「リオくんはプリキュアなのか?」問題
さて、そのリオくんですが一部のプリキュアファンの間では「ついにプリキュアになった!?」と話題になっています。
2017年11月16日に発売された『アニメージュ1月号増刊 キラキラ☆プリキュアアラモード特別増刊号』(徳間書店)には、リオくんの声優、皆川純子さんのインタビューとして下記の記述があります。
皆川 すごいですよね。「キュアワッフルになりたいです!」ってずっと言ってたら、暮田監督のラフ画に「キュアワッフル」って書いてあって・・・・やったあ!暮田監督がそう書いてくれたってことは、リオもプリキュアです!(笑)
――『アニメージュ1月号増刊 キラキラ☆プリキュアアラモード特別増刊号』P23から
冗談混じりで、リオくんが「キュアワッフル」であるとして、そのラフ画も公開されています。
ただこれはあくまで「プリキュアっぽい感じ(キュアワッフル)をいれてもらっても構いません」という記述だけで、「公式」にプリキュアとされるものでもありません。
第40話の劇中でも、攻撃を防いだリオくんに対し、グレイブが「プリキュアの力だと!」と驚くシーンがあるものの、リオくんの力は伝説のプリキュア「ルミエル」から借りたものであるとし、「しょせん借り物、プリキュアでは無いお前がいつまでも使えるものか!」とグレイブに言わせるなど、リオくんがプリキュアでないことに言及しています。
あくまでリオくんは、「プリキュアと同等の力を得た男の子」というニュアンスで捉えておくのが正解なのでしょう。
しかし個人的にはプリキュアと同等の力を得ているのだから、≒プリキュアであると心の中では思っています。
さて、そんな「プリキュアと同じ力を得たリオくん」。
彼はプリキュアという女児向けアニメーションにおける「多様性」の概念からみて、まさにエポックメイキング的なキャラクターだったのです。
以後、リオくんがいかに画期的なキャラなのか、そしてプリキュアにおける「新しい多様性の概念」を見ていきます。
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