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早朝の路地裏で毎日コーヒーを分け合った女の子 思春期の出会いと別れを描いた青春漫画がほろ苦い味わい(1/2 ページ)

酸味と苦味がからまり合った大人の味。

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 学校へ持って行ったコーヒーが、少年少女を巡り合わせる――。そんな青春を描いた漫画が味わい深いです。それこそコーヒーのように苦く、ほのかな酸味を感じさせます。

早朝の路地裏にて、2人で楽しむ朝食。そんな日々がずっと続けばいいのだけれど……

 主人公の男子高校生はいつも早起き。自分で入れたコーヒーを水筒に詰め、早めに登校するのが習慣となっていました。

 早起きの理由は、最寄り駅が同じ“あの女の子”と会うため。2人でコーヒーを飲みながら他愛のない会話をし、朝ごはんを食べるのが彼らの約束でした。主人公がコーヒーを、女の子が軽食を持ち寄って分け合う日々が、幾日か続きます。

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 そんなある日、女の子はいつになくつらそうな顔。その心情を察しながらも主人公は深入りできず、ただ明日もまた会おうと声をかけます。

 ところが、それは彼女に話した最後の言葉になってしまいました。次の日もその次の日も、あの子は約束の時間に現れません。彼女の気持ちをつなぎ止められなかった己の未熟さに落胆し、主人公はいつしかコーヒーを入れる習慣も止めてしまいました。

 時は流れ、主人公は大人になって傷が癒えたのか、コーヒーの習慣を再開しました。その香りをかぐたびに脳裏をよぎるのは、懐かしく愛おしいあの子の思い出。今の自分なら彼女に寄り添うことができるだろうか――そう自問しながら、彼は今日もまたコーヒーを入れるのでした。

 同作は川太郎(@kmgwkwtr)さんが手掛ける青春物語「アドレッセンス」シリーズの一編。他にも、くせ毛を気にする男の子と、初めてコーヒーを飲んだ女の子のエピソードが公開されています。

作品提供:川太郎(@kmgwkwtr)さん
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