10月1日が「コーヒーの日」だったことから投稿された漫画が、ホロ苦で大人の雰囲気漂っています。大人になると、味覚と同じように生きる痛みにも慣れてきてしまうんですよね。
パパがブラックコーヒーを飲んでいるのを見て、苦味をおいしく感じることができない自分は大人になれないのかな、と疑問に思った娘さん。苦味は年をとって舌が鈍感になって気にならなくなるから、とパパは説明します。そんな会話をしていると固定電話に着信が。電話の主は家族を捨てたママでした。
電話で謝ってばかりだったパパに「ママが悪いのに」と、娘は呟きます。勝手に家を出て行って他の男性と結婚したママ。パパの態度が的を射ない娘は「コーヒーとおんなじにママのことヘーキなの?」と尋ねました。
コーヒーの苦味が平気になったように何かが鈍感になってしまったから、ママのことを怒らなくてもいられるのか。子どもからの真っすぐな問いかけに少し考えてから、パパは娘が飲んでいる桃のジュースを「少し飲みたいな」と言いました。桃のジュースはパパにはちょっと甘い飲み物です。「でもコーヒーを飲むのにも、ほんの少しだけ飽きたんだ」
苦味に慣れてブラックコーヒーを飲めるようになるように、心が受ける痛みに慣れると怒りや悲しみを我慢してしまうこともあります。大人と違って、子どもは思ったことをそのまま言葉にします。かつて好きだった甘い飲み物を飲むことで、少しだけ我慢をやめようと思ったのかもしれません。
Twitterにはこの漫画の関連作品も。好きじゃないけど気持ちが落ち着くから今でもコーヒーを飲む別れた妻の話と、コーヒーのない部屋で少しずつ変化した3人の様子を描いた作品が投稿されています。
作者は遠藤平介(@heisukeend)さん。現在Amazonで『三つ編み娘とヒゲ男』が配信中です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「読んでいて涙が」「なんて素敵な話」 あるカフェの常連夫婦の漫画に涙が止まらない
悲しいけれど、希望のある結末。 - 初めて家に来た友達に、おばあちゃんが出してくれたおやつは…… 漫画「祖母のおやつ」に心がギュッとなる
いつまでも心に残るできごと。 - 死んだ幼馴染と夢の中で最後のデート 「尊い」「しんどい」と切なすぎる関係に語彙力を奪われる
甘酸っぱくてほろ苦い。 - 結婚前の女性が昔の恋人と再会……その行方は? ラストが重く刺さる漫画「鯖とコーヒー」
ずしっと来る読後感。 - はじめて純喫茶に入った女子高生が大人の階段を登る漫画に共感の声 「かわいい」「忘れてた衝撃を思い出した」
共感しかない……!